1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10171243
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
大隅 典子 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第七部, 室長 (00220343)
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Keywords | Pax-6遺伝子 / 変異ラット / マウス / 前脳 / 中脳 / コンパートメイント / 遺伝子導入 / 電気穿孔法 |
Research Abstract |
脊椎動物の脳形成はまず外胚葉に神経上皮が誘導され、その後背側で癒合して神経管が形成されるとともに、前後軸に沿ったいくつかのコンパートメント(分節)に分がれることによりなされる。近年、多数の形態形成遺伝子やシグナル分子がこの脳分節に特異的に発現することが報告されており、脳の分節構造は形態的な単位であるばかりでなく、その後の領域特異的な神経細胞の分化やネットワーク形成の基本単位として極めて重要な役割を果たしていると推定される。ショウジョウバエの形態形成遺伝子であるpairedのホモログの一つとして同定されたPax-6遺伝子は転写因子をコードし、発生中の前脳や菱脳・脊髄で領域特異的に発現する。本研究では実験発生学的手法と分子形態学的手法を駆使することにより、脳分節形成の細胞系譜的解析および脳のパターニングにおけるPax-6の役割について解析することを目的としている。 今年度は、Pax-6陽性領域である前脳コンパートメントの成立とその運命地図の作成について、培養マウス胚を用いて詳細な解析を行った。さらに昨年度確立した電気穿孔法による培養哺乳類胚への遺伝子導入系を用いて、前脳コンパートメントの維持にカドヘリン群が果たす役割を解析した。また、ラット胚菱脳部において、Pax-6の下流の分子カスケードについて解析し、Wnt遺伝子によってコードされる分泌因子がlslet2などの遺伝子発現を調節することにより、神経細胞の多様性獲得に役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Imai,H.,Osumi,N.,and Eto,K.: "Contribution of foregut endoderm to tooth initiation of mandibular incisor in ral embryos." Eur.J.Oral Sci.106. 19-23 (1998)
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[Publications] Kurisaki T,Masuda A,Osumi N,et al.: "Spatially-and temporally-restricted expression of meltrin alpha(ADAM12)and beta(ADAM19)in mouse embryo." Mech Dev. 73. 211-215 (1998)
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[Publications] 大隅典子: "ホメオボックス遺伝子による脳のパターニング" 遺伝子医学. 16. 524-528 (1998)
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[Publications] Torii,M.,Matsuzaki,F.,Osumi,N,et al.: "Transcription factors Mash-I and Prox-I delineate early steps in differentiation of neural stem cells in the developing central nervous system." Development. 126. 443-456 (1999)
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[Publications] Kawano,H.,Fukuda,T.,Kubo,K.,Horie,M.,Takeuchi,K.,Osumi,N.,et al.: "Pax6 is required for the thalamocortical pathway formation in fetal rats." J.Comp.Neurol.(in press).
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[Publications] 井上高良、大隅典子: "無敵のバイオテクニカルシリーズ特別編「脳・神経研究の進め方」第3章5)中枢神経系の形態形成〜哺乳類全胚培養系を用いた研究例" 羊土社 真鍋俊也、森 寿、片山正寛編集, 109-113 (1998)
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[Publications] Osumi,N.and Nakafuku,M.: "Pax-6 is involved in specification of ventral cell types in the hindbrain.In Neural Development:Keio Univ.Symposia for Life Science and Medicine:Vol.2" Springer-Verlag Tokyo,K.Uyemura,K.Kawamura,T.Yazaki(Eds), 117-124 (1998)