2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10179102
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
白川 昌宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (00202119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70242089)
藤田 尚志 (財)東京都臨床医学総合研究所, 室長 (10156870)
西村 善文 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (70107390)
中村 春木 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80134485)
片平 正人 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70211844)
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Keywords | DNA結 / G蛋白質共役受容体 / NMR / 水素結合 |
Research Abstract |
本研究により以下の蛋白質の立体構造解析が進行した。 (1)メチル化DNA結合蛋白質とDNAの複合体 脊椎動物におけるCpGメチル化は、遺伝子の抑制、クロマチン構造の凝集化を引き起こし、ゲノム・インプリンティング、初期発生の制御、発癌や遺伝子の安定性に関与する。CpGメチル化は多くの場合、メチル化DNA結合ドメインによって認識され細胞機能として発揮される。その一つであるメチル化依存的な転写リプレッサーMBD1のメチル化DNA結合ドメインの立体構造決定に続いて、メチル化部位を含むDNAとの複合体の構造解析も進めた。(2)下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチドの受容体結合時の立体構造決定 下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide:PACAP)はG蛋白質共役受容体であるPACAP受容体に結合し、細胞内のアデニル酸シクラーゼを活性化することにより、下垂体ホルモン、カテコールアミン、インシュリンの分泌などの生理活性を持つ。TRNOEを使った手法によりPACAP誘導体の受容体結合時の立体構造を決定し報告した。これはG蛋白質共役受容体に結合したペプチドリガンドとしては初めての構造である。(3)酸化ヌクレオチドを分解するヒトMTH1蛋白質NAへの酸化ダメージの生体内の蓄積は癌化の原因であり、また老化の主要な原因の一つと考えられている。ヌクレオチドプールの酸化もまた複製時のDNAへの取り込みを経てゲノムDNA、ミトコンドリアDNAの変異源となる。MTH1は変異原性の高いと言われる8-oxo guanineと2-hydroxy adenineの3リン酸型を分解することにより、DNAへの取り込みを阻害する修復蛋白質である。このヒトMTH1の溶液中での立体構造を決定した。さらにヌクレオチドとの結合実験、変異体解析などからヌクレオチド認識ポケットと触媒部位の推定を行った。 また、NMRによる立体構造解析手法の開発として、リン酸基による分子間水素結合の直接検出法を考案した,これは蛋白質とヌクレオチドの間のN-H…O-Pタイプの水素結合の供与基と受容基の原子核間に2-,3-bondのスカラー結合が存在することを利用する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H Inooka 他9名: "Conformation of a peptide ligand bound to its G-protein coupled receptor."Nature Structural Biology. 8. 161-165 (2001)
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[Publications] T.Ikgami 他5名: "Solution structure and dynamic character of the histidine-containing phosphotransfer domain of anaerobic sensor kinase ArcB from Escherichia coli."Nature Structural Biology. 40. 375-386 (2001)
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[Publications] K.Morikawa,M.Shirakawa: "Three-dimensional structural views of damaged-DNA recognition : T4 endonuclease V, E. coli Vsr protein, and human nucleotide excision repair factor XPA"Mutation Research. 460. 257-275 (2000)
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[Publications] N.Fujita 他6名: "Mechanism of transcriptional regulation by methyl-CpG binding protein MBD1."Molecular Cellular Biology. 20. 5107-5118 (2000)
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[Publications] M.Mishima 他5名: "Intermolecular ^<31>P-^<15>N and ^<31>P-^1H scalar couplings across hydrogen bonds formed between a protein and a nucleotide."J.Am.Chem.Soc.. 122. 5883-5884 (2000)
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[Publications] T.Ikegami 他5名: "Structure of the Chitin-Binding Domain of Bacillus circulans WL-12 Chitinase Al."Journal of Biological Chemistry. 275. 13654-13661 (2000)