2001 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニクス結晶共振器を用いた高効率光混合サブミリ波発信器の開発
Project/Area Number |
10210204
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
武田 三男 信州大学, 理学部, 教授 (20115653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 正彦 総務省, 通信総合研究所・関西先端研究センター, 主任研究員
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Keywords | フォトニクスバンド / フォトニクス結晶 / 差周波光混合 / THz電磁波 / サブミリ波発信器 / 光整流 |
Research Abstract |
フォトニツク結晶格子中に欠焔を導入するとバンドギャップ中に不純物局在モードを作り出すことができる。フォトニツク結晶はこのモードに対して高いQ値、低損失の共振器としてはたらく。本研究は、(1)フェムト秒レーザーパルス光によるTHzパルス電磁波の発生実験、および、(2)CWレーザー光による光混合THzCW電磁波の発生実験の2つの実験で横成されている。これまで、(1)共振器用フォトニツク結晶の設計と製作、(2)バンドギャップ振動数の測定と局在モードの確認、(3)THz時間領域分光による竜磁波分散関係(バンド構造)の決定、(4)光伝導スイッチ発振素子の作製を行ってきた。これらの基礎的な成果に基づき、光混合連続波THz電磁波発生実験とTHzパルス電磁波発生実験を進めている。どちらも、発振素子として光伝導スイッチもしくは非線形光学結晶を用いている。 昨年度、非線形光学結晶ZnTeを使って、フォトニツタ結晶共振器中に層欠陥による不純物局在モードを励起させることに成功した。シリコンエアロツド単純立方格子により、ZITeを両側から挟んで、フォトニツク結晶共振器を作製した。ZnTeにレーザパルス光を照射し、非線形光学効果によりTHz電磁波を発生させた。電磁波出射側にのみフォトニツク結晶を置いた場合にはみられない発振ピークをバンドギャップ領域中に見い出した。FDTD法によりこれら極在モードの空間分布及び時間発展を計算し、実測された極在モードの伝播特性を議論した。 今年度は、光伝導スイッチ素子に周波数の異なる二つのレーザー光を照射すると、そのレーザーの差周波数に相当する連続波THz電磁波が発生する殊に着目、擬単純立方格子中にボウタイ型アンテナ光伝導スイッチ素子を不純物層兼発振器として埋め込みフォトニツク結晶共振器を作製し、THz電磁波の放射パワーの周波数依存性を調べた。片方の単モード波長可変半導体レーザー光の波長を変え差周波数を変化させることによって、周波数連続可変のcw-THz電磁波を発生させ、放射された電磁波をInSbホットエレクトロン検出器で測定した。共振器からの放射ではフォトニツクバンドギャップ中に鋭い放射ピークが見い出された。この放射ピークについてもFDTD法によりこれらのモードの空間分布及び時間発展を計算し、実測された極在モードの伝播特性を議論した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kitahara, N.Tsumura, H.Kondo, M.Wada, Takeda, J.W.Haus, Zhernyu Yuan, N.Kawai, K.Sadoda, K.Inoue: "Terahertz Wave Dispersion in No-Dimensional Photonic Crystals"Phys. Rev. B. 64. 045202(7) (2001)
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[Publications] T.Aoki, M.Wada Takeda, J.W.Haus, Zhenyu Yuan, M.Tani, K.Sakai, N.Kawai, K.Inoue: "Terahertz Time-Domain Study of a Pseudo-Simple Cubic Photonic Lattice"Phys. Rev. B. 64. 045106(5) (2001)
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[Publications] 北原英明, 谷 正彦, 武田三男: "テラヘルツ時間領域分光とフォトニクス結晶への応用"固体物理. 36・7. 391-401 (2001)
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[Publications] 武田三男: "テラヘルツ波制御用3次元フォトニクス結晶の創製と応用"
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[Publications] 武田三男: "テラヘルツ波制御用3次元フォトニクス結晶の創製と応用"マテリアルインテグレーション. 14・8. 15-20 (2001)