1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10301001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 哲郎 東北大学, 文学部, 教授 (70117711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 守通 東北大学, 教育学部, 助教授 (40214407)
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (70184679)
加藤 和哉 山口大学, 人文学部, 助教授 (00243618)
花井 一典 北海道大学, 文学部, 助教授 (80228501)
岩熊 幸男 福井県立大学, 経済学部, 教授 (10135600)
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Keywords | 自由学芸 / 中世哲学 / 言語哲学 / ストア論理学 / 中世論理学 / ディアレクティケー / アンセルムス / アベラルドゥス |
Research Abstract |
1. 分担者は各自のテーマに沿った研究を進め、その成果の集約と吟味のため、全体研究集会を1回、個別ないし小人数の討論を数回開催した。全体会における研究発表は次の通り。 ・神崎繁: 概観ないしプラトンの反遠近法 ・加藤守通: プロタゴラスの論法について ・樋笠勝士: ストアの言語論 ・今義博(研究協力者): マリウス・ウィクトリヌスにおけるesse哲学の成立 ・岩熊幸男: 12世紀アベラルドウス学派とその周辺の論理学註解写本群 ・山内志朗: 存在の一義性に関する論理分析 ・伊藤博明: ルネサンスのヒエログリフ-'Festina lente'をめぐって 2. 個別の小研究会では、これらに加えて清水(カロリンガ・ルネサンスの言語哲学およびアンセルムスの言語哲学研究)、渡部(オッカムにおける形象不要論の意味)による発表および、加藤(和)、花井、山内の既発表論文が回覧され、吟味された。 3. これらの個別研究は、それぞれ分担者たちによる検討と吟味を経てより完成したものとなって発表され、さらには欧文論文として国際学界に向けて発表される予定である(一部は既に発表され、あるいは完成原稿となってしかるべき機関に提出されている。) 4. さらにこれら個別研究を基礎にして、本研究の課題である中世における言語哲学の起源と展開についての全体的見通しをたてることが次年度の大きな課題として、浮かびあがっている。 5. 本研究計画について、清水は海外出張(連合王国)により、P.ドロンケ教授、J.マレンボン博士、J.リスト教授(以上ケンブリッジ)、およびC.バーネット教授(ロンドン)のレビューを受け、今後の研究について有益な示唆を得ることができた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 清水哲郎: "人声天語-初期中世における言語理解とアンセルムス-" 哲学会『哲学雑誌』. 113. 94-112 (1998)
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[Publications] 花井一典: "真理と善の間に-超越概念から見たトマスの認識理論-" 哲学会『哲学雑誌』. 113. 113-128 (1998)
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[Publications] 山内志朗: "ドゥンス・スコトゥスの存在の一義性とアヴィケンナの影響" 哲学会『哲学雑誌』. 113. 129-146 (1998)
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[Publications] 加藤和哉: "トマス・アクィナスにおける人間の〈ペルソナ〉の理解" 哲学会『哲学雑誌』. 113. 147-164 (1998)
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[Publications] 山内志朗: "アヴィケンナの存在論との関連から見た,スコトゥスの個体化論" 中世哲学会『中世思想研究』. 40. 19-36 (1998)
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[Publications] 樋笠勝士: "記号論と解釈論-ストア学派の言語探求の重層性" 神田外語大学紀要. 11(印刷中). (1999)
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[Publications] SHIMIZU Tetsuro: "Alcuin's Theory of Signification and System of Philosophy" DIDASCALIA. 2. 1-18 (1999)
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[Publications] 清水哲郎: "個と言葉" 岩波 新・哲学講義 9. 123-149 (1999)
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[Publications] 神崎繁: "プラトンと反遠近法" 新書館, 242 (1999)