1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシン材料の機械的特性とそのスケール効果の研究
Project/Area Number |
10305008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 一雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30262851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
式田 光宏 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273291)
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Keywords | マイクロマシン / 薄膜 / 機械的特性 / 試験法 / 引張試験 / MEMS / 単結晶シリコン / シリコン化合物 |
Research Abstract |
(1)シリコン化合物薄膜の機械的特性測定にオンチップ引張試験を適用した。シリコン酸化膜、窒化膜について、それぞれ試験チップを作成する加工プロセスを開発し、引張試験を実施した。湿式熱酸化法で形成した膜厚2μmのシリコン酸化膜は破断応力1.9GPa、破断歪み2.5%、ヤング率74GPaを示し、一方、LPCVD法で形成したシリコン窒化膜は破断応力13.9GPa、破断歪み3.8%、ヤング率370GPaを示した。例えばバルク材の窒化シリコンの破断応力0.17〜0.375GPaに比べて、薄膜材の強度が高いことが実証された。 (2)準静的な試験に加え、動的試験、疲労試験などの様々な負荷形態を実施する試験システムを製作し、シリコン単結晶試験片を使って疲労試験を開始した。 (3)単結晶シリコンで膜厚が1μm以下の極薄膜ダイヤフラムを製作する加工プロセスを研究し、膜厚0.3〜0.9μmのダイヤフラムを形成した。これに差圧を負荷して内部応力ならびにヤング率を求めた結果、膜厚0.5μm以下のダイヤフラムでは膜厚が大きいものに比べて、ヤング率の低下が認められた。 (4)機械的特性のスケール効果を引張試験で評価する目的で、膜厚0.5μm以下の極薄膜の引張り試験を行うための超低荷重用ロードセルを設計した。これは天秤と電磁アクチュエータからなる熱分析用バランスの原理を応用したもので、測定荷重レンジ±2g、荷重分解能1μgの達成を目指す。
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[Publications] 吉岡テツヲ: "薄膜材料のオンチップ引張試験法の提案と試験デバイスの制作"日本機械学会論文集(C編). 65-635. 2973-2978 (1999)
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[Publications] T.Yoshioka,et al.: "Tensile-testing of SiO_2 and Si_3N_4 films carried out on a silicon chip"Tech.Dig. Transducers-99. June7-10. 496-498 (1999)
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[Publications] 佐藤一雄: "薄膜材料のマイクロテスティング-マイクロマシン技術からのアプローチ"日本機械学会材料力学部門分科会・研究会合同シンポジウム(研究の最前線:21世紀へ向けて)講演論文集. (印刷中). (2000)