2000 Fiscal Year Annual Research Report
人工現実感刺激の人体へ及ぼす影響の生体情報工学に基づく評価
Project/Area Number |
10305031
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊福部 達 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70002102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上見 憲弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70280857)
鈴木 康夫 北海道大学, 医学部, 講師 (40221329)
井野 秀一 北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (70250511)
恩田 能成 エム, アール・システム研究所, 研究員
和田 親宗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50281837)
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Keywords | 人工現実感 / 人体影響 / HMD / 3Dディスプレイ / 眼精疲労 / 調節 / 交感神経 / 副交感神経 |
Research Abstract |
本課題の目的は人工現実感(VR)技術で作り出される感覚刺激が人体にどのような影響を及ぼすのかを生体情報工学の観点から実験的に評価し、悪影響を与えないようにするための指針を示すことである。延べ102人の被験者(19-27歳の健常者)による色々な角度からの実験結果から現時点で提言し得る指針を下記する。 1.VRの設計者に対しては、HMDや3Dディスプレイを通して30分間映像を見た後、90分間にわたり調節速度*が映像を見る前の値に戻らなければ、コンテンツも含めてVRの設計を見直すべきであること、 2.使用者に対してはHMDを介して映像を4時間見たら90分、2時間診たら60分休むこと、および、直視ディスプレイを介して3次元映像を30分見たら、90分、15分見たら60分休むことが望ましい旨を告げること、の2点である。 *調節速度とは目のレンズの厚さを調節する速度のことである。測定では眼前の指標が瞬時により手前に移動したときに、その指標にすばやく焦点を合わせるという方法をとり、その焦点合わせの速度から調節速度を求める。なお、調節速度は副交感神経の活動および眼精疲労の大きさが反映されている。 以上のように、具体的な提言をすることができたが、健常な成年以外の子供、高齢者、目などに障害を有する者における指針、また、別の方式のHMD、3Dディスプレイに対する指針についてはこれからの課題として残された。しかし、本研究を通じて得られた指針を基礎としてこれらの課題に取り組むことができ、研究の目的を達成することができたといえる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 伊福部達: "九官鳥、インコ、そして超複話術"日本音響学会誌. 56・9. 657-662 (2000)
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[Publications] 伊福部達: "高齢難聴者のための音声情報変換方式"電子情報通信学会誌. (印刷中). (2001)
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[Publications] 奈良博之: "移動する音像刺激を用いた姿勢制御に関する基礎的研究"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. 5・3. 1013-1018 (2000)
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[Publications] 堅田秀生: "自由曲面プリズムを用いたヘッドマウントディスプレイ(HMD)による長時間映像負荷が視覚機能に与える影響"日本神経眼科学会論文誌. 17・4(印刷中). (2001)
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[Publications] 井野秀一: "VR刺激の生体への影響"バイオメカニズム学会誌. 25・2(印刷中). (2001)
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[Publications] 松尾力: "MR環境下における上肢の作業効率に基づく視覚表示方式の評価"電子情報通信学会技術研究報告(マルチメディア・仮想環境). MVE2000(印刷中). (2001)
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[Publications] 伊福部達: "「視覚情報処理ハンドブック」視覚聴覚の統合"朝倉書店. 656 (2000)
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[Publications] 伊福部達: "VR映像の人体影響を探る-MRの設計指針へ向けて-"エム・アール・システム研究所(印刷中). (2001)