2000 Fiscal Year Annual Research Report
近世以降の中国における宗教世界の多元性とその相互受容
Project/Area Number |
10410087
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
濱田 正美 神戸大学, 文学部, 教授 (30109061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中砂 明徳 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50237286)
石川 禎浩 神戸大学, 文学部, 助教授 (10222978)
森 紀子 神戸大学, 文学部, 教授 (50241154)
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Keywords | 中国 / イスラーム / 儒教 / 孔教 / 門宦 / 宗教 |
Research Abstract |
本研究がまず設定した研究対象は、明清時代における中国イスラームと儒学および仏教との交渉の問題であった。中国西北部のイスラームは、門宦と呼ばれる神秘主義教団の存在に代表されるように、沿海部をはじめとする他の地域と比較すると、際立った特色を有している。濱田と石川は中国西北部在住の研究者からブリーフィングを受けるとともに、各地の門宦で若干の現地調査を行った。その結果、西北の神秘主義教団は中央アジア、東トルキスタンの直接的影響の下に成立したことが明らかとなった。また、中国にもたらされていた古典的文献の複製から小錦児とよばれるアラビア文字で表記された漢語の文献、さらには現代の中国のイマームによるアラビア語の著作などを収集することに成功した。一方、伝統思想の変容と宗教との関わりに関心を有する森は、調査、資料収集において、マールブルグ大学での来華ドイツ宣教師に関する資料収集、泰州派ゆかりの安定書院訪問、シンガポール大学での孔教、三一教関係資料収集、マラッカ孔教会訪問等、幅広い関心を持続し、海外移民社会に現出する宗教の多元性と流動性の実態を明らかにした。
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Research Products
(2 results)