1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 隆夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20027791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石光 輝子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (80127183)
内田 正博 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10151888)
小紫 重徳 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70007756)
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
平野 雅史 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (50031315)
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Keywords | ヨーロッパ / アイデンティティ / 民族 / 文化の複数性 / 亡命 / 旅行 / セクシュアリティ |
Research Abstract |
ヨーロッパにおける文化の交錯とアイデンティティというテーマのもとに、超領域的・学際的な共同作業を展開することによって、従来のヨーロッパ研究を踏まえてそれを総合しつつ、新たな視点からヨーロッパの全体像を明らかにすることが目標であるが、平成10年度の実績は次のようなものである。 1. 次のテーマで研究発表とそれに関する活発な討論が行われた。 平成10年6月 「多言語・多民族都市プラハ」(石川) 9月 「ベルギーにおけるロマン主義運動-想像の「国民文化」形成-」(岩本) 11月 「ホーフマンスタールとオーストリア文化」(内田) 平成11年2月 「ターナーとドラクロアにおけるバイロン的主題について」(柏木) 2. われわれ研究分担者全員が準備作業を全面的に担って、国際シンポジウム「越境する文化とヨーロッパ -新たな共生に向けて-」を平成10年11月28日・29日の2日間にわたって開催し、成功裡に終えることができた。以下の方々の講演・発表を立案・計画し、また事前の勉強会・当日の活発な討論を行った。 大阪大学教授川北稔氏「ユーロ時代の世界システム-『新たな中世か?』」 立命館大学教授西川長夫氏「EUと文化摩擦-地域と移民の問題を中心に-」 (司会・藤野) 立命館大学教授西成彦氏「ホロコーストが消したものとその鎮魂」 セッション「マイノリティとしてのヨーロッパ人」(司会・石光) 石川「中欧におけるマイノリテイ」 セッション「ヨーロッパと他者」(コーディネーター・三木原) 3. 京都大学名誉教授上山安敏氏を迎えて講演会・研究会を行った。 平成11年1月22日 「魔女と母権利 -ヨーロッパ思想の底流」 今年度は特に内外の多くの研究者と交流・討論する機会を得られたが、ますます「ヨーロッパ」というテーマの多面性と拡がりの大きさが痛感され、学際的に取り組む必要性が一層感じられた。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 光末紀子: "ドロステとフェミニズム" ドイツ文学論集(神戸大学ドイツ文学論集刊行会). 26. 1-14 (1997)
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[Publications] 光末紀子: "18世紀の女性小説『とり違えられた娘たち』をめぐって" オーストリア文学(オーストリア文学研究会). 14. 1-8 (1998)
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[Publications] 小紫重徳: "『妖精の女性』における系図の意味 : トロイ王家からブリトン王家、そしてテューダー王家へ" SYLVAN. 40. 19-29 (1998)
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[Publications] 三木原 浩: "シャンソン『粉屋さん、あんた、眠ってるの?』をめぐって" 神戸大学国際文化学部紀要「国際文化学研究」. 9. 41-57 (1998)
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[Publications] 三木原 浩: "続サン・シャルル街の夜が明けて-サン・シャルル街に日が暮れる-" クインテット. 17. 1-37 (1998)
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[Publications] 笹江修: "続「生の閾」を越えた男" Kobe Miscellany (神戸大学英米文学会). 24. 17-30 (1999)
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[Publications] 石塚裕子: "地中海の彼方のシャーロック・ホームズ" Kobe Miscellany (神戸大学英米文学会). 24. 31-55 (1999)
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[Publications] 藤野一夫: "歴史哲学ドラマとしての《タンホイザー》(上)" 音楽芸術. 56巻2号. 35-40 (1998)
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[Publications] 藤野一夫: "歴史哲学ドラマとしての《タンホイザー》(下)" 音楽芸術. 56巻3号. 65-69 (1998)
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[Publications] 加藤雅之: "肉体の知を求めて : Clarissa Harlowe から Maggie Tulliver へ" 試論. 37. 39-49 (1998)
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[Publications] 岩本和子: "『ワロニー』誌にみるベルギー象徴派のコスモポリタニズムと地域主義" 国際文化学研究(神戸大学国際文化学部紀要). 8. 1-30 (1997)
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[Publications] 岩本和子: "ド・コステル『フランドル伝説』-「ベルギー文化」のアイデンティティを求めて-" EBOK (神戸大学仏語仏文学研究会). 9・10(合併号). 85-112 (1998)
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[Publications] 岩本和子: "ベルギーにおけるロマン主義運動-想像の「国民文化」形成-" 国際文化学研究(神戸大学国際文化学部紀要). 11. (1999)
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[Publications] 光末紀子: "書きはじめた女たち" 島影社, 283 (1998)
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[Publications] 三木原浩(共著): "フランス学を学ぶ人のために" 世界思想社, 334 (1998)
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[Publications] 石光輝子(共著): "中欧-その変奏-" 島影社, 511 (1998)