2000 Fiscal Year Annual Research Report
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10410112
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 隆夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20027791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小紫 重徳 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70007756)
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
平野 雅史 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (50031315)
三木原 浩 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70116177)
内田 正博 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10151888)
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Keywords | ヨーロッパ / アイデンティティ / 民族 / 文化の複数性 / 亡命 / 旅行 / セクシュアリティ |
Research Abstract |
ヨーロッパにおける文化の交錯とアイデンティティというテーマを領域的・学際的な共同作業で追求する 我々の研究は、昨年に引き続き一層の広がりと深まりをもって進められた。 1.次のテーマで研究発表とそれに関する活発な討論が行われた。 平成12年4月「『聞かせてよ,愛の言葉を』を巡って」(三木原) 7月「イングランドを探して」(加藤) 11月「ポーランド人とイギリス人の狭間で-コンラッドの場合-」(笹江) 平成13年1月「ドイツ国家の成立とワイマール共和国」(平野) 2月「<民族>の概念の生成とマイノリティ問題」(窪)[講師に大阪産業大学助教授窪誠氏を招聘した。ヨーロッパにおける民族概念の成立を、英・仏・独について、法思想の観点から解明し、マイノリティ概念の形成とその諸問題を捉え直そうという試み。] 2.一橋大学大学院言語社会研究科教授鵜飼哲氏を迎え、講演会並びに研究会を開催した。イスラームにはイスラームの、ユダヤにはユダヤの罪の概念・償いの概念がある。二つの文化が本質的に異質な償いの,謝罪の、罪の概念をもっている場合、その共同体間で生じたことはどう償われるべきかという、今日世界が直面している普遍的な問題の解決の糸口を、フランスとイスラムの関係の中に探ろうとするもので、意欲的な意見交換がなされた。 平成12年10月10日「フランスとイスラーム-対話の試み-」 3.研究分担者各人が国内の諸機関で情報収集と意見交換を行ったほか、加藤雅之氏がロンドン、バーミンガムを中心にEnglishnessに係わる文献調査及び資料収集を行った。更にバーミンガム大学ではDr.Ericksonと、シェフィールド大学ではDr.Siddleと文化研究の動向と方法論について意見交換した。 今年度の輝かしい成果を踏まえ、新たなヨーロッパ学構築に向けて、来年度は一層実りある共同研究を目指す所存である。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] 光末紀子: "親和力のオティーリエ-ジェンダー論的観点から"ゲーテ年鑑. 42. 149-166 (2000)
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[Publications] 光末紀子: "ジェンダーパラダイム考-18世紀末ドイツの場合"ドイツ文学論集2000. 29. 103-123 (2000)
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[Publications] 小紫重徳: "エリザベス朝国家主義の諸相-過去の記憶と規範"国際文化学研究. 14. 1-23 (2000)
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[Publications] 小紫重徳: "(翻訳)エリザベス一世女王の書簡(その1)"近代. 86. 95-115 (2000)
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[Publications] 三木原浩: "追想のブルターニュ"クインテット. 19. 15-43 (2000)
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[Publications] 三木原浩: "『ぼくのブロンド娘のそばで』『マルブレーは戦争に行ってしまう』をめぐるパンセ-ルイ十四世の時代-"近代. 86. 75-94 (2000)
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[Publications] 三木原浩: "ジャン・クリストフ-ジャニコロの丘の啓示-"週刊朝日百科-世界の文学-. 64. 122-123 (2000)
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[Publications] 三木原浩: "白井鐵造文庫「楽譜目録」考-シャンソンの楽譜をめぐって-"館報 池田文庫. 16. 6-8 (2000)
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[Publications] 三木原浩: "サント・マリー・ドゥ・ラ・メール-心の巡礼行-"クインテット. 20. 83-106 (2000)
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[Publications] 笹江修: "続「生の閾」を越えた男"Kobe Miscellany. 25. 40-52 (2001)
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[Publications] 石塚裕子: "Dickensのジェノヴァ講座記-催眠術の日々-"Kobe Miscellany. 26. 29-43 (2001)
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[Publications] 藤野一夫: "『パルジファル』と芸術宗教の系譜"ショーペンハウアー研究. 5. 76-89 (2000)
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[Publications] 藤野一夫: "フォイエルバッハ主義者ワグナーに見る「愛と死」のドラマトウルギー"ワーグナーヤールブーフ. 2000. 82-101 (2000)
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[Publications] 藤野一夫: "<第9>と近代市民社会-ベートヴェン神話の源流を探る-"音楽現代. 第30巻第12号. 79-81 (2000)
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[Publications] 岩本和子: "『現代芸術』誌とベルギー文芸ルネッサンス"近代. 85. 51-82 (2000)
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[Publications] 岩本和子: "世紀末ベルギーの植民地主義と文学テクスト(1)-『フレム・オゾ』『コンゴにて』『ジム』を中心に-"国際文化学研究. 13. 1-31 (2000)
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[Publications] 岩本和子: "世紀末ベルギーの植民地主義と文学テクスト(2)-コンラッド『闇の興』の謎と不在の都市ブリュッセル-"国際文化学研究. 14. 25-50 (2000)
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[Publications] 岩本和子: "『ペレアスをメリザンド』における民族精神(2)-<メリザンドの歌>の変更をめぐって-"近代. 86. 73-97 (2000)
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[Publications] 岩本和子: "メーテルランク『ペレアスとメリザンド』における民族精神(1)-ドビュッシーによる<女中たち>の削除をめぐって-"国際文化学研究. 15(印刷中). (2001)
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[Publications] 橋本隆夫: "伝カリステネス『アレクサンドロス大王物語』(翻訳)"国文社. 406 (2000)
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[Publications] 石川達夫: "黄金のプラハ"平凡社. 393 (2000)
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[Publications] 加藤雅之: "ジョージ・エリオットの時空(「跡を継ぐもの-『急進主義者フィーリクス・ホルト』と秘密」)"北星堂書店. 361 (2000)