2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440001
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Research Institution | RIKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇澤 達 立教大学, 理学部, 助教授 (40232813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕二 立教大学, 理学部, 助手 (40287917)
青木 昇 立教大学, 理学部, 助教授 (30183130)
藤井 昭雄 立教大学, 理学部, 教授 (50097226)
黒木 玄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10234593)
長谷川 浩司 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30208483)
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Keywords | 対称対 / 対称多様体 / 標数2の体上の代数群 / 佐武図式 / 制限ルート系 |
Research Abstract |
平成12年度研究実績の概要 12年度は引き続き対称対のさまざまな面についての研究が行われた。 標数2の体上の対称対の研究をさらに深められた。Gを標数2の体k上の簡約代数群、σをGに作用するk上定義された位数2の自己同型(以下対合と呼ぶ)とする。このとき、標数が2ではない体では、σは半単純な自己同型となり、理論が実数体の場合と平行にすすむことが知られている。実数体上の理論は、リーマン対称空間の研究と同値となる。 標数が2の体上では、対合はべき単(ユニポテント)な元となり、 様相がまったく異なる。にもかかわらず、制限ルート系など、リーマン対称空間で最初に定義された概念が定義されるのである。複素数体上の簡約群の対合の分類は、非コンパクトリーマン対称空間の分類と同値であり、佐武図形によってなされる。佐武図式は、標数が2ではない代数的閉体上の簡約群の対合の分類にも適用され、結論として、複素数体の場合と全く同じになる。標数2の代数閉体上では、一般には対合の数が増えることが知られている。その理由は、標数2の体上では、他の標数では禁止されている、「α+σ(α)がまたルートとなる」ことが起こるためである。禁止されている配置は、標数が2ではないときには、ケーレー変換によって容認されている配置に移る。ケーレー変換は一般にガウスの整数環Z[i]上の双有理変換としてしか定義できなために、標数2で対合が増えることが明らかになった。こんごの問題としては、有限単純群の分類を、上記の一般化されたリーマン対称空間の分類の傘下に含めることができるか、吟味することである。有限単純群の位数は偶数であることが知られており、常に対合を持つことがわかる。したがって、有限単純群は有限体もどきの上のの対称多様体の自己同型群として実現されることになる。有名なブラウアー・ファウラーの定理は、対称対(G、σ)がσの不変部分群Hで決まる、ということの類似となる。実際には数個の例外を除いて、有限単純群の場合にも、Hで一意的に決まるのである。例外がなぜ起こるのか、その理由の解明は大変興味のある問題である。これらの結果はフランス学士院の紀要に投稿された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Uzawa: "On the tenson product of principal series representations of SL(2)"京都大学数理解析研究所講究録. 1-15 (2001)
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[Publications] A,Fujii,Ivic: "On the distributions of sums of zeros of the Riemann zeta function"Comm.Math.Univ.Sancti Pauli. 49・1. 23-42 (2000)
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[Publications] A,Fujii: "A Note on the values of The Epstein zeta Functions at the critical points"Comm.Math.Univ.Sancti Pauli. 49・2. 195-225 (2000)
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[Publications] N.Aoki: "Some remarks on the Hodge conjecture for Abelian varieties"Comm.Math.Univ.Sancti Pauli. 49・2. 177-194 (2000)