Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 立雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40109418)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00113639)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
神田 雄高 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30280861)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Research Abstract |
1.実射影空間の部分多様体で,ガラス写像が退化するものを可展部分多様体という.射影超平面はガウス写像が定値写像になり,ガウス写像が退化する自明になる例である.その他の非自明な可展超曲面の例として,実数,複素数,ハミルトン4元数体,ケーレー8元体と関係して得られるカルタン超曲面とよばれる3次超曲面が4通り存在し,コンパクト型等質可展超曲面は,射影変換を除いて,射影超平面とカルタン超曲面のみに限ることが,等径超曲面の理論を応用することで,前年度本研究課題により発見されたが,さらに,複素2次超曲面への1次アイソトロピック写像から,ガウス写像が退化するがその退化が一定ではないという3次元可展超曲面の例を構成できることが,本年度の研究によって発見された.この事実は,極小曲面やウィルモア曲面などの研究と関係し,しかもその関係が非常に意外であることから,興味深い.この研究は,現在論文にまとめている最中であり,国際的雑誌に投稿予定である. 2.接触多様体内の特異点を持つルジャンドル部分多様体に関する重要な概念にルジャンドル安定性があるが,これを特徴づけることに前年度成功している.本年度は,さらに安定性およびそれと関係深いヴァーサリティーの特徴づけに関するデーモンの理論を,非線形の場合に拡張し,一般化することに成功した.ルジャンドル特異点論,ラグランジュ特異点論における安定性はこのような広汎な理論に昇華されることが認識できた.この結果は,現在論文にまとめている最中であり,国際的雑誌に投稿予定である. 3.特異点を持つラグランジュ多様体の安定射影の単純特異点の分類を,そのラグランジュ多様体の特異点がもっとも簡単な場合に完成させた.この結果は,アーノルドによるADE分類の一般化であり,分類結果の今後の応用が期待される.この結果は,現在論文にまとめている最中であり,国際的雑誌に投稿予定である. 4.本課題と,いわゆる射影微分幾何の関係を,昨年度の研究の過程で認識した.これに関しては,本年度には具体的な成果が得られなかったが,引き続き研究を行う予定である.
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