2000 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星海面高度計と合成開口レーダーの統合運用による,新しい巨大地震像の構築
Project/Area Number |
10440126
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 教授 (30152078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 正人 東京大学, 地震研究所, 助手 (60313045)
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
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Keywords | ジオイド / 断層運動 / 粘弾性 / 海面高度計 |
Research Abstract |
1.干渉合成開口レーダー解析による地殻変動の解析にとって,最大の誤差要因となる水蒸気遅延について,それを気象庁領域客観解析データを取り除く手法の開発を進めた.開発手法の有効性を確認するために,海洋潮汐荷重による地表変位が大きいと見積もられている朝鮮半島について干渉合成開口レーダー解析を完了した.その結果,得られた地殻変動は理論的な予測値と比べてが,振幅は2倍程度となった.海洋潮汐モデルもしくは荷重グリーン関数に問題が残っているためと考えられる.空間的なパターンは,解析結果と予測値とが良い一致を示した. 2.巨大地震によって励起される地殻変動の時間的推移を求めるために,マックスウェル粘弾性地球内におかれた点震源について,自己重力および圧縮性を考慮にいれた球対称モデルに基づき,重力・ジオイド高・上下変動を計算する手法を完成した.垂直断層上の水平横ずれ断層型の場合に実際に計算を行なった結果,弾性リソスフェア内に震源がある場合と,粘弾性アセノスフェアにある場合とで,変形の時間的な推移が大きく異なることがわかった. 3.グローバルな内部潮汐波場の数値モデリングを行うため,北太平洋におけるM2成分の内部潮汐の分布を,プリミティブ運動方程式の3次元数値モデルを利用して調べた.その結果,大振幅の内部潮汐が,インドネシア諸島・ソロモン諸島・アリューシャン諸島の海山,東シナ海の大陸棚斜面,伊豆-小笠原海嶺やハワイ海嶺といった卓越した海底地形上において励起されている様子が再現された.とくに、ハワイ海嶺付近のM2内部潮汐の空間分布について、この数値計算によって再現されたものと、Topex/Poseidonの海面高度計データから検出されたものとがよく一致していることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nagasawa.M.,Y.Niwa,and T.Hibiya: "Spatial and temporal distribution of the wind-induced internal wave energy available for deep water mixing in the North Pacific"J.Geophys.Res.. 105巻C6号. 13,933-13,943 (2000)
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[Publications] Niwa.Y.,and T.Hibiya: "Numerical study of the spatial distribution of internal tidal energy in the North Pacific"J.Geodetic Soc.Japan. 46巻(印刷中). (2000)
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[Publications] Tanaka,Y.,S.Okubo,M.Machida,I.Kimura,and T.Kosuge: "First detection of absolute gravity change caused by earthquake"Geophys.Res.Lett.. 28巻(印刷中). (2001)