1998 Fiscal Year Annual Research Report
包接・自己集金・自己組織化能を有する新規環状構造の構築と機能開発
Project/Area Number |
10440182
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 雅一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60211786)
今井 敏郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80184802)
鈴木 孝紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70202132)
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Keywords | 超分子 / 包接 / 自己集合 / 自己組織化 / マクロサイクル |
Research Abstract |
本研究では、ヘキサヒドロインダセン骨格を主要構成単位とする包接・自己集合・自己組織化能を有する環状構造の設計と構築を行った。この骨格の特徴は、剛直なベンゼン環と柔軟性に富んだ飽和5員環から構成されていることである。 1. ヒドリンダセン骨格の5員環は封筒形の配座をとっており、両末端の炭素に嵩高さの異なる置換基を導入すると、より嵩高さの小さな置換基はアキシャル配座をとって約7Åの距離をおいてほぼ平行に配列されることを見い出した。すなわち、末端炭素原子上にエステル基とアリルエチニル基を導入すると、syn体では後者の置換基が平面不飽和化合物の包接に適した配座を優先することを明かにした。この特徴を利用した水素結合、金属錯体形成、π-πstacking相互作用による自己集合・自己組織化能を有する化合物の設計と合成を行った。その機能研究は次年度に行う予定である。 2. ヒドリンダセンの2つの5員環上にそれぞれ置換基をシン/アンチ面選択的に導入することは困難であるが、ケトアミドの水素結合能と容易なエピマー化に着目して、合成基質のシン/アンチ立体化学に拘わらず、シン体を経由してアミド基間の水素結合によって大環状構造へと自己組織化三量化する基質の設計と合成を行った。この系については、さらに金属錯体形成部位の導入による水素結合形成とのアロステリック効果、形成環構造がキラルであることに着目した置換基、ゲスト分子、溶媒などを利用した不斉源の導入による一方のエナンチオマーの優先的形成に検討を加える予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kawai: "A Kinetically Stabilized 1.1 Paracyclophane: Isolation and X-Ray Structural Analysis" Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.37(6). 817-819 (1998)
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[Publications] T.Suzuki: "Biphenyl-Type Electron Acceptors Exhibiting Dynamic Redox Properties: a Novel Electrochromic System" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(13). 1331-1332 (1998)
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[Publications] T.Suzuki: "A New Type of Tricolor Electrochromic Systems Based on the Dynamic Redox Properties of Hexaarylethane" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(20). 2193-2194 (1998)
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[Publications] T.Tsuji: "Extremely Strained Paracyclophanes: Preparation,Structures,and Properties" Adv.Strained and Interesting Org.Mol.7(in press). (1999)
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[Publications] M.Ohkita: "Generation,Spectroscopic Characterization,and Reactions of 3,4-Benzotropone. Distinctive Photo-" J.Am.Chem.Soc.121(in press). (1999)