1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70159143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 靖隆 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90221879)
山縣 恒明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70166594)
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Keywords | 非線型 / 光学特性 / クラスター / モリブデン / パラジウム |
Research Abstract |
炭素p軌道の一次元共役系を持つ高分子化合物は、ポリアセチレン、ポリジアセチレンなどが知られており、有機導電体、非線形光学デバイス、液晶デバイスなどを目的として盛んに研究されている。遷移金属を含む共役系は機能性の多彩なd電子を持ち将来の素子として有望であるが、これまで主鎖に金属間結合のみがらなる金属分子の合成はパイエルス転移の問題から難しいと考えられてきた。金属間多重結合を一次元錯体に展開するための素反応の開発をおこなった。 3種の金属配位可能原子O、N、Pがピリドン骨格により一次元に保持された6-diphenylphosphino-2-pyridonate(pyphosと略す)を配位子として用い、Mo-Mo4重結合を持つ2核錯体Mo_2(pyphos)_4(1)を合成した。錯体1のリン部位はパラジウムと反応させることにより、4個の金属原子MMoMoMが一次元に並んだ錯体MO_2Pd^<II>_2X_4(pyphos)_4(2)を得た。錯体2では2つのPd原子はMo-Mo結合のaxial位に存在しているため4つの金属原子は一次元に並んでいる。2価のパラジウム錯体を還元することによりMo-Mo結合が部分的に開裂しM-Mo間に金属間結合がある4核錯体Mo_2Pd^I_2X_2(pyphos)_4(3)が得られた。この錯体は多重結合と金属原子が直線状に4個連結された初めての錯体である。 得られた錯体3は、溶液での測定により、大きな3次の非線形光学特性を示すことがわかった。今後、個体サンプルでの測定を予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Mashima: "Uniqne Complexation by the Tridentate Ligands,6-Diphenylphosphino-2-pyridonato(=pyphos)and 6-Diphenylphosphino-2-pgridone(=pyphooH)・・・" Inorg.Chim.Acta. 270. 459-466 (1998)
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[Publications] K.Mashima: "1,8-Diphenyl-octa-1,3,5,7-tetraene Complexes of Ruthenlum(II):・・・" Organometallics. 17. 410-414 (1998)
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[Publications] K.Mashima: "Dative Pd(0)-Mo(II)Bond in Tetrametal System:・・・" J.Am.Chem.Soc.120. 12151-12152 (1998)
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[Publications] M.Nishino: "Theoretical Studies of Multiple Metal-Metal Bonds between …" Bull.Chem.Soc.Jpn. 71. 99-112 (1998)