1999 Fiscal Year Annual Research Report
シダ植物に特徴的な高次の染色体基本数の起源に関するFISHと遺伝子解析による研究
Project/Area Number |
10440252
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高宮 正之 熊本大学, 理学部, 助教授 (70179555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 旬子 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40244222)
綿野 泰行 金沢大学, 理学部, 助教授 (70192820)
滝尾 進 熊本大学, 理学部, 助教授 (60188109)
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Keywords | シダ植物 / 染色体 / FISH / 倍数性 / 基本数 |
Research Abstract |
本年度は、ゼンマイ属(2n=44)についてrDNA座の詳しい調査を行った。その結果、遺伝子座はシロヤマゼンマイでは1座のみであったものの、ゼンマイとヤシャゼンマイでは複数の座があることが確認された。また、複数座をもつ種ではシグナルに大小が見られた。このことは上記3種は元から2倍体で遺伝子座の重複は無く、ゼンマイとヤシャゼンマイの共通祖先においてrDNA座の一部の転座が起こった、あるいは上記3種の共通祖先で既に遺伝子座の重複が起こっておりシロヤマゼンマイでのみ1対を除いてサイレンシングは終了し、ゼンマイとヤシャゼンマイではサイレンシングの途上であるなど、様々な解釈が可能である。そのため、rDNA座を切り出してシークエンスしたり、他のゼンマイ属にも同様の研究を広げていく。また、rDNAのみからでは推察が難しいため、他のシングルコピー遺伝子の開発を進めてきた。SODについては、タチクラマゴケ、リュウビンタイ、ゼンマイ、クサソテツ等で、PGIではコバノカナワラビ、オシダ、シノブカグマ等について遺伝子のシークエンスを進めている。これらをプローブとしてFISH法による遺伝子座数の比較等を行う予定である。まとまりのある種数があり様々な倍数性、生殖様式を含む群としてノコギリシダ属(Diplazium)を取り上げた。染色体数や生殖様式についてはほぼ調査が終了したので、倍数加による属内分化についてFISH法を用いて比較検討する予定である。
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Research Products
(1 results)