1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 雅人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60272358)
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Keywords | 免震 / 積層ゴム支承 / 高減衰ゴム / 天然ゴム / 材料構成則 / 材料試験 / 粘弾塑性 / 画像計測 |
Research Abstract |
本研究では,その力学的特性が十分に把握されていない免震ゴム支承について,その多軸載荷履歴を精緻に再現できる材料構成則に基づいた物理モデルを構築することを目的として,実験,解析の両面から研究を行った. これまで,ゴム材料の力学的特性を把握するための材料試験自体が体系化されておらず,そのために現状では精緻な構成則の構築が困難である.そこで,まず,これまで研究者毎に個別に提案されてきた1軸試験や2軸引張試験の方法を体系化し,それを,材料構成則に結びつける方法を確立することに力点を置いて研究を行った.構成則としては,複雑な弾塑性特性を持つ金属材料に対して最近提案され,その有効性が確認されている.GraesserならびにCozzarellによる3次元履歴粘弾塑性モデルをゴム材料独特の特性を表すように拡張した新たなモデルを構築した.また,材料試験結果のみから構成則の各パラメータが一意に決定されるように材料試験を体系化し,天然ゴム,高減衰ゴムなどの各種ゴム材料の材料構成則を具体的に求めることに成功した.次いで,免震支承の1軸載荷実験を行い,構築された構成則の部材レベルにおける再現性が概ね良好であることを確認した.なお,その際には,設計に必要とされる情報である荷重変位関係に加え,画像処理によってひずみ分布を面的に計測することに成功した.更に,多軸載荷実験結果に基づいて,提案した構成則を,多軸載荷状態での計測されたひずみ分布によって直接的に検証し,その有効性を示すことができた.以上より,微小振幅域から大振幅域まで幅広く免震支承の復元力特性を再現可能な構成則が提示できたものと考えている.今後,既存の実験結果が不十分であるため検証が必ずしも十分ではないゴムの復元力特性の速度依存性・時間依存性についての研究を進めることで,実用的かつ精緻な構成モデルが提示できるものと考えている.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉田純司、武貞聡、阿部雅人、藤野陽三: "水平2方向加振に対応した積層ゴム支承のモデル化"第25回地震工学研究発表会講演論文集. 741-744 (1999)
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[Publications] 藤野陽三、阿部雅人、吉田純司: "微小振幅領域における高減衰積層ゴム支承の復元力特性"土木学会第54回年次学術講演会. (1999)
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[Publications] 吉田純司、阿部雅人、藤野陽三: "高減衰ゴムの構成則の構築"土木学会第54回年次学術講演会. (1999)
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[Publications] 武貞聡、吉田純司、阿部雅人、藤野陽三: "微小振幅域まで考慮した免震用積層ゴム支承の復元力特性モデルの構築及び多軸載荷状態への拡張"土木学会第54回年次学術講演会.
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[Publications] 阿部(分担共著): "構造物の振動制御(4)地震による橋梁の動的応答と設計・制御"土木学会. 308 (1998)