1999 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトな特殊エッジ形状をもつ防音壁の遮音性能に関する研究
Project/Area Number |
10450213
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
藤原 恭司 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (00038978)
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Keywords | 防音壁 / ソフトな音響境界条件 / 土木音響学 |
Research Abstract |
まず多数のスピーカーを半球表面に配列することで無指向性の音源を得ることが出来るかを、既に購入済みのコーン型スピーカを用いて検討したところ、指向性に関しては無指向性に近い特性が得られたが、放射パワーに関して測定に耐えられるだけのものが得られなかった。代わりに指向性は多少劣るものの、出力としては十分得られるコーン型スピーカボックス2台を用いて音源とすることにした。その音源の特性としては今回の実験に用いるには多少特性が劣るものの、測定に大きな支障を来さないものが得られた。 次いで実物大の音響管配列を持つT字型防音壁を製作し、実験室内でインパルス応答計測を通じてその遮音特性を計測した。計測結果としての周波数特性は3000Hz以上の周波数帯域を除いて数値計算結果と比較的良く一致し、これまでの数値計算、縮尺模型を用いた検討が妥当であることが明らかになった。また広帯域騒音を評価するための全数端数帯域に対する遮音性能値も数値計算結果と良く一致し、これまでの検討結果の妥当性を検証できた。 広い帯域の騒音に有効な音響管配列型防音壁の開発手法として、管の開口部に吸音材料を取り付け、帯域幅を広げる手法を検討している。まず1/10縮尺模型を用いた実験に関しては僅かに吸音材料を取り付けることで、正の効果が若干弱まるものの、負の効果が現れる周波数でその負の効果を緩和できることが明らかになった。これらを境界要素法で、吸音材料の内部も解析対象領域として解析したところ、実験で確認された負の効果が弱められる傾向、また正の効果も弱まる傾向が確認された。両者の傾向は一致したので、今後は最適な吸音材料の取り付け位置、取り付け量に関する研究が残された。
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