1999 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光エネルギー変換材料の高効率製造プロセスの開発
Project/Area Number |
10450279
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 睦文 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40115647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 敏治 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (20115629)
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Keywords | 太陽電池 / シリコン / 製造プロセス / 不純物除去 / 真空溶解法 / スラグ / 平衡分配比 / ガスインジェクション |
Research Abstract |
当初の計画通り,本年度は太陽電池用Si(SOG-Si)製造プロセスの開発を目的とし,以下の溶融Si中の不純物除去に関する研究を行った。また,前年度の研究にて得られたSi-Ca-O系の熱力学データに関する研究成果を学術雑誌へ論文として発表した。 1.真空溶解法によるCa,P,Alの蒸発除去:高周波誘導炉を用い1773KでSiの真空溶解実験を行った。前年度測定したSi中の不純物の熱力学データを用いた除去限界の検討と本実験結果から,SOG-Siレベルまで精製するためには,電子ビームを用いて浴温度を高温にする必要があることが分かった。 2.BとPのスラグ/溶融Si間平衡分配比の測定:1773K,不活性ガス雰囲気下で,次式で定義されるスラグ/溶融Si間のB,Pの平衡分配比を測定した。 (不純物Xの平衡分配比)=(スラグ中Xの質量%濃度)/[Si中Xの質量%濃度] (1)SiO_2飽和NaO_<0.5>-CaO-SiO_2スラグ/溶融Si間のBの分配比については大きな値が得られなかった。これは,スラグ/溶融Si間の分配反応が平衡に達するとBの除去がより促進される高塩基度・高酸素分圧の条件にはなり得ないためである。 (2)酸素分圧を非常に低い条件下でのCaO飽和CaO-CaF_2スラグ/溶融Si間のPの分配比は非常に高い値となった。 3.CaO系スラグ添加・酸化性ガス吹き込み法によるBの除去:2.の(1)の結果から,局所的に高塩基度・高酸素分圧を実現しBをスラグへ吸収させる「酸素・スラグ同時インジェクション法」が脱Bに最適であると判断した。この処理法の装置設計・条件等の把握に必要な基礎データを蓄積するため,1773KでSiを融解して,高塩基性CaO系スラグを添加し,酸化性ガスを浴内に吹き込む脱B実験を行った。その結果,最大85%のBを除去でき,先述した同時インジェクション法がB除去に有効であることが分かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Mitsuru TANAHASHI, Nobuyuki MOURI, Toshiharu FUJISAWA, Chikabumi YAMAUCHI: "Thermodynamics of the Si-Ca-O System at 1773K"Materials Transactions, JIM. Vol.40. 594-599 (1999)