2000 Fiscal Year Annual Research Report
バイポーラ膜における水解離機構の解明と膜材料及びシステム設計に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10450294
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷岡 明彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10092561)
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Keywords | バイポーラ膜 / 水解離 / アルコールのイオン化 / 誘電率 / 電流 / 電圧曲線 / リチウムメトキシド / カールフィシャー法 / 自己プロトリシス定数 |
Research Abstract |
我々はすでにバイポーラ膜において水解離のメカニズムを論じると共に弱酸のみならずアルコール系でも水の解離が起こることを報告してきた。バイポーラ膜における水解離現象は中間層と呼ばれる正荷電層と負荷電層の界面でおこると考えられており、中間層における水分子の解離反応の過程が解離モデルにおける議論の中心となっている。正荷電層側から直流電圧印加下のバイポーラ膜において誘電的性質の変化が観察される。測定系全体の導電率は減少し、静電容量は増加した。このような変化はモノポーラ膜やバイポーラ膜に対する負荷電層側からの電圧印加では観察されず、水解離に起因していると考えられる。次にアルコール溶媒系でもカチオンとアニオンへの解離がどのように生じるかを詳細に検討するために、メタノール、エタノール、1-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールを溶媒として、電解質としてLiClを用いて電流/電圧測定を行うと共にカールフィッシャー法による生成物の含水量分析と塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液による滴定に基づくリチウムメトキシドと水酸化リチウムの電流効率を求めた。電流/電圧曲線はいずれのアルコールにおいても水と同様の傾向を示した。リチウムメトキシドの電流効率は時間と共に増加し水酸化リチウムの電流効率は減少することが明らかとなった。これより、メタノール系においてもバイポーラ膜の界面でも解離が生じていることが確認できた。また溶液中の不純物としての水がメタノールの解離の原因ではないことが明らかとなった。さらに溶媒の比誘電率が大きいほど自己プロトリシス定数が小さいほど解離が起こり易いと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Jimbo,P.Ramirez,A.Tanioka,S.Mafe and N.Minoura: "Passive transport of ionic drugs through membranes with pH dependent fixed charges"J.Colloid and Interface Sci.. 225. 447-454 (2000)
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[Publications] M.Higa,M.Koga and A.Tanioka: "Ionic mobility in water-swollen poly (vinyl alcohol) membrane"Sen-i Gakkaishi.. 56. 290-297 (2000)
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[Publications] R.Eto,V.Suendo,T.Osaki,M.Higa and A.Tanioka: "Preparation and characterization of novel weak amphoteric-charged membrane containing cysteine residues"J.Colloid and Interface Sci.. (in press). (2001)
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[Publications] N.Onishi,T. Osaki,M Minagawa and A.Tanioka: "Alcohol splitting in bipolar membrane and analysis of the product"J.Electroanalytical Chem.. (in press). (2001)