1999 Fiscal Year Annual Research Report
微少重力環境下における液滴の放出と捕集に関する研究
Project/Area Number |
10450369
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 勲 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10281784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301937)
永田 晴紀 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40281787)
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Keywords | 液滴 / 液滴射出 / 液滴捕集 / 液滴ラジエータ / 液滴回収器 / 液滴生成器 / シリコンオイル |
Research Abstract |
今年度は液滴回収器の微小重力下での性能確認試験を行った。液滴回収器は,液滴生成部から宇宙空間に射出された液滴をロスなく回収する必要がある。液滴の回収ロスは液滴ラジエータ全体の作動流体の減少につながるため,回収器での液滴の飛散は防止されなければならない。今回の微小重力実験で用いた液滴回収器は,液滴入射方向に対して35゜傾いた回収面を持つおわん型の回転式回収器で,回収器の回転によって発生した遠心流と直角に当たるように入口を配した回収管を持つことが特徴である。微小重力実験から, 1.回収管入口付近での流体の飛散がないこと 2.流体ループで回収器の次にあるギアポンプへ流体を送りこむ能力のあること 3.回収管内の作動流体の流速は損失を考えたベルヌーイの式から予測できること がわかった。回収管内に真空の領域ができた場合,作動流体を循環させるギアポンプは機能しなくなると考えられているので,2.の能力があることは液滴回収器として望ましい。 液滴が回収面と衝突した際の飛散については,回転式回収器では観測が困難であったため,本研究で用いた回転式回収器と同じ傾斜角を持つアルミ平板に液滴流を衝突させ,微小重力下で観測を行った。その結果,液滴直径および間隔が均一な液滴流の場合,回収面への衝突による液滴の飛散は見られなかった。なお,今回平板の衝突実験で用いた均一液滴流は液滴直径240μm,液滴間隔600μm,回収面衝突速度16m/sであった。逆に不均一な液滴流の場合,飛散が確認された。これは,不均一液滴流内に平板にできた液膜厚さに対して液滴直径が大きいもの含まれているため,飛散が起きたと考えられる。このことから液滴生成器で射出される液滴流を本実験で用いた均一液滴流にすれば,少なくとも飛散は発生しないことが確認された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masahiro Itami: "Performance Test of Liquid Droplet Radiator Elements Under Microgravity"J. Jpn. Soc. Microgravity Appl.. Vol.16 Supplement. 114-115 (1999)
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[Publications] 戸谷 剛: "液滴ラジエータにおける液滴生成部および液滴回収部の微少重力下での性能試験"第9回短時間無重力利用に関する講演会抄録. (2000)
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[Publications] Tsuyoshi Totani: "Performance of Generator and Collector in Liquid Droplet Radiator Under Microgravity"Drop Tower Days 2000 in BREMEN. (2000)
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[Publications] T. Totani: "Test Plan of a Liquid Droplet Radiator using Short-duration Microgravity Facility"Drop Tower Days 1998 in Hokkaido. 175-177 (1998)
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[Publications] Masahiro Itami: "Performance Evaluation of a Liquid Droplet Radiator Under Microgravity"J. Jpn. Soc. Microgravity Appl.. Vol.15 Supplement. 38-39 (1998)