1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
生井 兵治 筑波大学, 農林学系, 教授 (80015677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久喜 筑波大学, 農林学系, 講師 (70251022)
大澤 良 筑波大学, 農林学系, 助教授
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Keywords | ソバ / 多収性 / 生殖生物学 / 遺伝生態学 / 品種内変異 / 花粉 / 胚珠比 / 栽培環境 / 季節的分断選抜 |
Research Abstract |
普通ソバとダッタンソバの多収性を目指し生殖生物学的解析を行い以下の結果を得た。 1. 開花から結実までの生殖生物学的解析については,中間型普通ソバ品種信濃1号は8月播きの秋栽培で開花期に播種後23〜31日の品種内変異があり,播種後26日までに全個体の6割が開花し集団の開花期間は40日に及ぶが,個体当たり開花数は播種後23〜24日開花の早咲き個体と25〜26日開花の中咲き個体が二百〜千数百花と多く遅咲き・大遅咲き個体では数十〜六百花と少なく,全種子の8割が26日までの開花個体に結実し,各個体は1月余り開花するが主に開花期前半の花に実ること等が分かった。個体ごとの開花期後半の低結実率の原因は,花粉(P)と胚珠(O)の生産量やP/O比等との関連で追究中である。 2. 種子収量に及ぼす栽培環境の栽培生理・生態学的解析については,夏型品種キタワセソバ,しなの夏そばと,カナダの夏型在来品種,新品種koban,長花房系統Bm94362.3を夏栽培と秋栽培し,夏栽培では個体当たり総花房数は最小のキタワセソバ19.2個に対して,kobanは35.1個,Bm94362.3は42.3個と多く,花房当たり種子数は長花房系統が最大なことが分かったが,秋栽培では台風5号で全滅し栽培環境との関係は解析出来なかった。 3. 季節的分断選抜の効果と機作に関する遺伝生態学的解析については,秋型品種宮崎在来の8世代に渡る地理的・季節的分断選抜系統の秋栽培ならびに,夏型品種牡丹そばと秋型品種宮崎在来との雑種種子について5月播き夏栽培と8月播き秋栽培を交互につづけ7世代目の秋栽培と8世代目の夏栽培を行い,季節的分断選抜の効果を確認するとともに,夏栽培では平均開花日の分散は両親の中間に安定し秋栽培では平均開花日,分散ともに雑種第一代の値に収斂していることなど,機作の一部を生物統計学的に解明できた。 4. そばで村興し中の山間の町で品種維持や栽培上の問題点を調査し有益な情報を得た。
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Research Products
(1 results)