2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460016
|
Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
市橋 秀樹 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40127048)
|
Keywords | 街路植栽 / 運転車 / 歩行者 / PM法 / アメニティ |
Research Abstract |
歩行者および運転者からみた街路植栽の心理的評価を、フォトモンタージュ法によって作成した歩道と車道の景観図および実際の歩道景観写真を用いて、それら景観図および写真から受ける印象を1対比較法で調査し、PM法で解析した。得られた結果は以下の通りであった。 ○歩道のアメニティを左右する主要因は街路植栽である。 ○歩道のアメニティは緑視率が高くなればなるほど向上する傾向があるが、緑視率が高くても植物(緑)の配置如何によってはアメニティが低下する。 ○歩行者にとって好ましい植栽パターンは、高木のみまたは高木と低木(膝)の組み合わせである。逆に最も好ましくない植栽パターンは植栽なし、または低木(腰)のみである。 ○高木植栽も低木(膝)植栽も、安らぎ、歩きたさ、快適性、緑量、安心感、安全性の面で、歩行者に好ましい印象を与えているが、低木(腰)は、安らぎ、安心感、安全性について好ましい印象を与えるだけである。 ○運転者にとって最も好ましい植栽パターンは低木(膝)植栽のみの場合であり、逆に最も好ましくないのは高木と低木(腰)の組み合わせである。 ○高木植栽は、運転者に対し美しいと感じさせるだけで、それ以外には好ましい印象を与えない。 ○低木(膝)植栽は、美しさ、緑量、快適性、走行性、安全性の面で運転者に対し好ましい印象を与えている。 ○低木(腰)植栽は運転者に疲れにくいと感じさせる働きがあるが、それ以外には好ましい印象を与えない。 以上の結果から、運転者にとって好ましい植栽パターンは必ずしも歩行者にとっても好ましい植栽パターンではないことが明らかになった。今後の課題として、本当に運転者および歩行者双方にとって好ましい植栽パターンはないのかを明らかにするため、多様な街路植栽、要因が街路から受ける印象に及ぼす影響を検討する必要性が挙げられる。このことが、人と車の共存する街づくりに必要不可欠である。
|
Research Products
(2 results)