1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>動員における免疫抑制剤結合蛋白質(FKBP)の役割の解明〜FKBPサブタイプとの相互作用によるリアノジン受容体チャネル機能の多様化〜
Project/Area Number |
10470024
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊東 祐之 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80037506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大池 正宏 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70271103)
井上 隆司 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30232573)
尾上 均 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221166)
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Keywords | Ca^<2+> / リアノジン受容体 / FK506結合タンパク質 / isoform / subtype / 心筋 / 骨格筋 |
Research Abstract |
本研究課題は細胞内Ca^<2+>放出チャネル/リアノジン受容体(RYR)とFK506結合蛋白質(FKBP)との相互作用について解析することを目的として行った。 1)心筋型RYR(RYR2)に結合している内因性FKBP(FKBP12.6)は外から加えたFKBP12.6とは交換反応を起こしたが、FKBP12とは交換反応を起こさなかった。一方骨格筋由来CRC/RYR1に結合している内因性FKBP(FKBP12)は外から加えたFKBP12及びFKBP12.6いずれとも同等の効率で交換反応を起こした。次に心筋あるいは骨格筋小胞体(SR)分画をFK506処理することにより内因性FKBPを除去したCRC/RYRの空位のFKBP結合部位に対するFKBP12あるいはFKBP12.6の直接結合能を調べたところ、CRC/RYR2に対してはFKBP12.6のみが選択的に結合を示しFKBP12は全く結合しなかった。一方CRC/RYR1の空位のFKBP結合部位にはFKBP12およびFKBP12.6は同等の結合能を示した。これらの結果から心筋型CRC/RYR2のFKBP12.6に対する結合親和性はFKBP12に対する結合親和性に比べて1,000倍程度高いことが推定された。一方骨格筋型CRC/RYR1はFKBP12およびFKBP12.6に対して同等の結合親和性を持つことが明らかとなった。 2)in vivoにおいてもRYR/CRCにFKBPが結合しているか否かを検討するために骨格筋組織中でのRYRとFKBP12の局在を免疫組織化学的に比較検討した。RYR,FKBPともに筋繊維の縦走方向に対して直角に一定の間隔(約2μm)で並ぶバンドとして検出された。RYRとFKBPを同一切片上で二重染色すると両者のバンドの局在は一致していた。これらの結果からRYR/CRCはin vivoにおいてもFKBPが結合した形で存在することが示された。
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[Publications] Onoue H.: "Heterooligomer of type membrane fraction 1,4,5-trisphosphate receptor expressed in rat liver membrane fraction exists as tetrameric complex."Biochem. Biophys. Res. Commun.. 267・3. 928-933 (2000)