2000 Fiscal Year Annual Research Report
Crkを介する癌遺伝子産物と癌抑制遺伝子産物のクロストーク
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10470064
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
松田 道行 国立国際医療センター, 研究所, 部長 (10199812)
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Keywords | Crk / 上皮細胞増殖因子 / リン酸化 |
Research Abstract |
Crk癌遺伝子産物の活性化をモニターするために、Crkのリン酸化を生細胞でみるためのプローブを作成した。これは、Crk蛋白の両側にGreen fluorescent proteinの変異体であるEYFPとECFPとを結合させたもので、この蛋白では、Crkのリン酸化に応じてECFPからEYFPへのfluorescent resonance energy transfer(FRET)がおきて、430nmの波長で励起した際の530nmの励起光の変化が捉えられるものである。このプローブを用いて、Crk蛋白の上皮細胞増殖因子依存性のリン酸化を解析した。その結果、Crkは上皮細胞増殖因子による刺激で速やかにリン酸化をうけることがわかった。しかし、細胞内でほぼ均一にリン酸化が入るので、その原因を探った。そのために、EYFPに結合したCrk蛋白を細胞で発現させ、530nmの強い励起光を照射し、細胞質内の一部のCrk蛋白のみを褪色させた。しかし、励起光照射後、数秒以内に褪色したスポットが見えなくなってしまうことから、Crkは非常に速やかに細胞質内を動いており、上皮細胞増殖因子の刺激が局在化した活性化を見せないのはCrkの拡散によるものであることがわかった。以上のことより、上皮細胞増殖因子の細胞膜での刺激は、リン酸化されたCrkにより速やかに細胞内を伝播していく可能性が示唆された。また、このような単一蛋白の構造を生細胞でモニターする系ははじめてであり、今後の発展が期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mochizuki N, et al.: "Crk Activation of JNk via C3G and R-Ras."J Biol Chem. 275. 12667-12671 (2000)
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[Publications] Yamashita S, et al.: "CalDAG-GEFIII activation of Ras, R-Ras, and Rap1."J Biol Chem. 275. 25488-25493 (2000)
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[Publications] Ohba Y, et al.: "Rap2 as a Slowly Responding Molecular Switch in the Rap1 Signling Cascade."Mol Cell Biol. 20. 6074-6083 (2000)
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[Publications] Ohba Y, et al.: "Regulatory proteins of R-Ras, TC21/R-Ras2, and M-Ras/R-Ras3."J Biol Chem. 275. 20020-20026 (2000)
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[Publications] Mochizuki N, et al.: "Activation of ERK/MAPK pathway by an isoform of rap1GAP associated with Gαi."Nature. 400. 891-894 (1999)