1998 Fiscal Year Annual Research Report
カルニチン輸送担体遺伝子のポジショナルクローニングとその欠損による低血糖発症機構
Project/Area Number |
10470232
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
水野 昭 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (80219641)
野間 喜彦 徳島大学, 医学部附属病院, 講師 (10218349)
田中 敏博 東京大学, 医科学研究所ヒトゲノム解析センター, 助手 (50292850)
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Keywords | カルニチン / JVS マウス / 低血糖症 / カルニチントランスポーター |
Research Abstract |
Juvenile Visceral Steatosis(JVS)mouseはカルニチン輸送担体の活性がない(BBRC223:283,1996)。このため腎でのカルニチンの再吸収が障害され(BBA1226:25,1994)、血中と全身の組織(肝、心、骨格筋)でのカルニチン濃度が低下する(J Mol Cardiol 30:773,1998)。即ち、ヒトのprimary carnitine deficiencyのanimal modelである。 平成10年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1) カルニチン輸送活性の分析 線維芽細胞を用いた分析では、輸送活性Na^+濃度に依存しており、またHeterozygoteでは正常活性の約50%であった。 2) 原因遺伝子の同定 JVSマウスは常染色体劣性の遺伝形式をもつ、単一遺伝子疾患である。原因遺伝子は、第11番染色体上に局在することを、1996年に報告していた。1998年にhuman OCTN2(Na^+ dependent carnitine transporter)が報告されたので、mouse OCTN2をcloningし、その第6transmembrane domainにあるcodon352のCTG(Leu)が、JVSマウスではCGC(Arg)に変異していることを見い出した。 3) 低血糖の分析 JVSマウスの血糖値は自由摂取時の値が対象群より低く、絶食を続けると絶食60時間後に有意に低下してきた。血中インスリン濃度に差がなく、絶食により乳酸・ピルビン酸濃度は低く、これら糖新生基質の低下が低血糖の原因の一つと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Hashimoto,et.al.: "Gene-dose effect on carnitine transport activity in embryonic fibroblasts of JVS mice as a model of human carnitine transport deficiend" Biochem.Pharmacol.55(10). 1729-1732 (1998)
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[Publications] K.Lu,et.al.: "A missense mutation of mouse OCTN2,a sodium-dependent carnitine cotransporter,in the juvenile vis ceral steatosis(JVS) mouse" Biochem.Biophys.Res.Commun.252. 590-594 (1998)