1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠原 紳 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70169407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 教授 (50108578)
細谷 誠 東北大学, 歯学部, 助手 (70199503)
木村 幸平 東北大学, 歯学部, 教授 (40108551)
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Keywords | 生体親和性 / 歯科用セメント / 粒度分布 / 操作性 / 臨床応用 |
Research Abstract |
生体親和性セメントCPC(カルシウム-フォスフェイ卜-セメント)はこれまでの歯科用セメントとは異なる硬化メカニズムを持つ新規セメントである.しかし,硬化時間が長く,操作性も不良のため現状では歯科診療へ応用することは困難である.本研究の目的はCPCの粉末粒度の大きさや各種添加剤がこのセメントの操作性に与える影響に関する基礎的データを集積することにある.本年度はレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて,市販の従来型の合着用セメント(りん酸亜鉛セメント,グラスポリアルケノートセメント)の粒度配合に関する調査を行った.その結果,市販のセメントの粉成分とセメントの性質に関して以下のことが判った. 1. りん酸亜鉛セメント粉末の粒度は20μm以下であり,グラスポリアルケノートセメント粉末の粒度は製品に関わらず40μm以下であった. 2. 練和感覚と粒度配合には明確な関係は認められなかった. 3. セメントの硬化と粒度配合については,細かい粒子を含むセメントのほうが硬化速度が早かった. 一方,試作CPCの焼結体をミキサーと手動の乳鉢,乳棒を用いて粉砕した場合,初め粒子直径は100μm-0.5μmであったが,乳鉢で細粒化すると直径は200〜3μmであった.この原因として,粒度を小さくしたことによって粒子の凝集が起こりやすくなり,表面活性剤によっても粒子が分離せず,見かけ上粒子が大きくなったと考えられる.
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