1999 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃によるスポーツ傷害予防のための動的生体力学と高衝撃吸収性生体材料の開発
Project/Area Number |
10480008
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 敏之 株式会社 ライフテック研究所, 所長
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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Keywords | スポーツ傷害 / 生体力学 / 衝撃解析 / マウスガード / ヘッドギア / 医用高分子工学 |
Research Abstract |
スポーツによる脳震盪などの障害を予防する防具としてのマウスガードやヘッドギアなどについて、その安全性について生体力学的に評価し、新しい衝撃吸収用生体材料の開発研究を行った。 衝撃解析には有限要素法とMADYMOを併用した。マウスガードの効果についてまとめると、下顎への打撃に対して緩衝する能力は十分に認められ、特に開口時における打撃に対して有効であった。この緩衝効果は5人のボランティアにおけるオトガイへの振子による打撃試験において、頬骨への加速度の伝播状態からも確認できた。 PVAゲルは生体にとって安全であり、高含水率、高弾性率を有するが、水が飛散し易いので、保水性に優れた化合物を複合化すれば、耐久性に優れた高衝撃吸収性ゲルとなり、生体親和性に優れた防具として使用できる。有機溶媒を用いたPVAゲル化合成法を考案した。重合度8800、30wt%のPVAを水:DMSO=2:8に調整した有機溶媒を用いて冷凍してゲル化すると、均一でヤング率の高い材料を作ることができた。重合度の低い(1700)PVA試料は、エタノールによって有機溶媒を置換し、冷凍してゲル化を促進させた。重合度の高い(8800)試料は、140℃、数百気圧にて押し出し成型を行い、冷凍してゲル化を行った。この方法により、20〜40%の高濃度PVAゲルが得られた。別に、PVAを140℃にてDMSOに溶解させ、メタノール中に再沈澱させてDMSOを除いた。再沈して得た試料を真空乾燥後、140℃で5分間ホットプレスで成形した有機溶媒沈澱試料のtanδの温度依存性は、0〜50℃にピークを持ち、前記の試料とブレンドすれば、tanδが低い温度領域を相互補完できる。このPVAゲルは大きなヤング率を持つにも関わらず100%以上の伸び率を示し、80%まで伸ばした後、除荷した履歴曲線は、強い衝撃に対する吸収特性を示した。
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Research Products
(2 results)