1999 Fiscal Year Annual Research Report
中途視覚障害者のための自動サービス機器のバリアフリー化に関する研究
Project/Area Number |
10480088
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久宗 周二 財団法人海上労働科学研究所, 研究員
石井 満 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (80042589)
武井 昭 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (20045850)
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Keywords | 中途視覚障害者 / 自動サービス機器 / 自動券売機 / タッチパネル式 / ATM / メニュー画面 / 入力画面 / 点字料金表 |
Research Abstract |
平成11年度は中途視覚障害者に対するアンケート調査からタッチパネル式券売機のパネル表示部分が中途視覚障害者にとり使いにくいこと、時には使用できないことがあることがわかったことから、タッチパネル式自動サービス機器の問題点を明らかにすべく使用現場における実態調査を実施した。調査は平成11年4月〜9月にかけて、都市銀行7行と1地方銀行の合計8銀行のATMのシステム特に画面の内容(メニュー画面・入力画面)について、バックカラー、ボタンの色、ボタン上の文字の色、各銀行での項目数および項目の種類等を調査し、引き出し、預け入れ、残高照会などの一連の流れを分析した。この分析結果をもとに、高崎市内にある金融機関で実際の利用者のATMの利用状況を調査シた。調査は平成11年10月12〜14日の3日間で、調査時間は午前9時から午後3時間でとした。ATMが見える位置から利用者の年齢、取引内容、利用時間、取引中の行動について男子251人、女子356人を観察した。調査結果から画面での構成を最小化し、機能の意味を明確にし、使用方法をわかりやすくする必要があることが分かった。また15人の被験者による実験の結果から人間の手の動きは上下の動作より、左右の動作の方がスムーズに行えることが分かったので、それを考慮した上でメニューを構成する必要があることが確かめられた。ATMの利用時間は通帳記入や残高照会・引き出しなどで30〜40秒を要しており、それが振り込みになると3倍〜4倍の時間がかかっており、多くの人がトラブルに巻き込まれていることが分かった。昨年に引さ続き、自動券売機の調査も実施した。タッチパネル式券売機の普及はめざましいものがあった。利用者が使いこなせないために、小型の料金表を設置したり、点字料金表を準備するなどのサポートが必要なことが改めて確認された。基本的なコンセプトに問題があるように思われた。
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Research Products
(1 results)