2000 Fiscal Year Annual Research Report
中途視覚障害者のための自動サービス機器のバリアフリー化に関する研究
Project/Area Number |
10480088
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久宗 周二 (財)海上労働科学研究所, 研究員
石井 満 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (80042589)
武井 昭 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (20045850)
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Keywords | 中途視覚障害者 / バリアフリー / 自動サービス機器 / ATM / 自動券売機 / 弱視者 / タッチパネル / 高齢者 |
Research Abstract |
平成12年度では、中途視覚障害者の自動券売機の利用状況について調査を行った。87名の中途視覚障害者と56名の晴眼者に同一の質問を行い問題点を明らかにした。タッチパネル式自動券売機の障害者対応機器として設置されている音声ガイドは視覚障害者の74.4%は知っていたが、使用経験のある障害者は58.1%に過ぎず、利用できない障害者が16.3%いた。テンキー入力装置については視覚障害者の75.6%が知っていた。しかし使用経験者は、52.3%に留まっており、利用できなかった人も23.3%いた。実際に切符を購入する際に、タッチパネル式の券売機を利用すると答えた視覚障害者は25.3%に過ぎず、62.7%がボタン式の券売機を利用していた事実をしると、タッチパネル式自動券売機の使いにくさをうかがい知ることができた。 なお、視覚障害者が利用する頻度の多い現行のボタン式自動券売機でも料金表示の大きさについては82.0%の障害者が悪いと評価していた。障害者にやさしい自動券売機を設計することの必要性が分かった。この調査結果をもとに、弱視者12名について、タッチパネル式自動券売機の利用時の行動分析について実験的研究を行った。弱視者によると、タッチパネルの背景色は、橙、ボタンの色は黒の組み合わせが最も良い評価された。ボタンの形については、弱視者の立場から考えると、大きいものが明らかに良いとされていたが、実用性や社会的な適応性から考えると、余り大きさだけにこだわるわけにはいかない。となるとボタンごとの間隔や文字の間隔を工夫することが必要であろう。 最後に男女大学生10名、弱視者8名により、ATMのユーザビリティについて実験を行った。タッチパネル式ATMの電話型および計算機型の入力方式について検討したところ、数字の1にオレンジの色を着色した色付にすると操作性が向上することがわかった。しかし、この程度では弱視に対してはそれほどのサポートにはならないことも確められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 岸田孝弥,久宗周二,池上徹,松田文子,松井哲夫,水野秀樹: "駅自動券売機の使いやすさとは!-東京近郊区間の駅における実態調査から-"産業保健人間工学研究、. 1. 76-77 (1999)
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[Publications] 岸田孝弥,池上徹,久宗周二: "自動化サービス機器におけるバリアフリー化のための機器設計に関する調査研究(1)"人間工学. 36. 224-225 (2000)
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[Publications] 久宗周二,肝付邦憲,岸田孝弥: "自動販売機利用時の人間行動(第5報)、-中途視覚障害者の自動券売機の利用行動-"人間工学. 35、特別号1. 85 (1999)
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[Publications] Koya Kishida,Syuuji Hisamune,Thor Ikegami,Tetsuo Matui: "STUDY ON GUIDELINE TO MAKE AUTOMATED SERVICE MACHINES,"Proceedings of the IEA 2000/HFES 2000 Congress,U.S.A.,. 4. 95 (2000)
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[Publications] Koya Kishida,Syuuji Hisamune,Thor Ikegami,: "Study on Human Behavior in using Ticket Vending Machines"International Ergonomics Symposium 2000. 337-340 (2000)