1998 Fiscal Year Annual Research Report
表面波プラズマの励起機構と電磁波エネルギーの輸送過程
Project/Area Number |
10480100
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
神藤 正士 静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 治久 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (70204948)
畑中 義式 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (60006278)
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Keywords | 表面波励起子 / 遮断密度 / 共振器のQ値 / 環状スロットアンテナ / 反射電力 / 高エネルギー電子 / 石英板 |
Research Abstract |
直径312mm、高さ350mmの円筒状放電管の上部端面を厚さ15mm、直径350mmの石英板で真空封じした放電管を用いて、2.45GHzマイクロ波のTM_<011>モードで共振する円筒空洞共 振器を表面波励起子として石英板の大気側の面に設置した。マイクロ波電力は共振器端面に設けられた環状スロットアンテナを通して導波路である石英板内部を伝搬すると同時に放電管内部に放射され、遮断密度(〜10^<11>cm^<-3>)以上の径方向に一様な高密度プラズマが生成された。なお測定はラングミュアプローブで行われた。 放電機構を調べるために、スロットアンテナの幅を10〜30mmまで5mm刻みで変化させ、共振器の高さを90〜150mmまで連続的に変化させながら、共振器からの反射電力および石英板下10cmでかつ放電管中心軸上におけるプラズマ密度を同時測定した。得られた実験結果は以下のように要約される。 1. スロットの幅が狭いほど、共振器のQ値が上がり、共振条件を満たす特定の共振器高さで反射電力がほぼゼロになると同時にプラズマ密度が最大となった。 2. ガスの圧力や入射電力を上げると反射電力が増したが、最小となる共振器の高さも大きくなった。また、Q値は低下した。 3. 2mmTorrの低気圧下での測定では、中心軸上の管軸方向密度分布に特定の密度を満たす位置で局部的な凹みが観測された。 4. 低圧力下で、石英板直下から放電管軸方向に向かって移動する高エネルギー電子の発生がプローブ測定より確認された。 これらの結果より、石英板付近に電子の加熱されやすい箇所があってプラズマ生成部となっていることが推測される。
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