1998 Fiscal Year Annual Research Report
イオンサイクロトロン波帯における速波電流駆動用アンテナの研究
Project/Area Number |
10480104
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
三枝 幹雄 茨城大学, 工学部, 助教授 (10292476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正典 茨城大学, 工学部, 教授 (80007781)
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Keywords | 核融合 / トカマク / 速波 / 電流駆動 / 進行波 / アンテナ / JFT-2M / プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、エネルギー問題の最も有力な解決方法である核融合発電を実現するために、現在最も研究が進んでいるトカマク型核融合炉の定常運転に必要な、速波電流駆動用進行波型アンテナの研究を行った。本科学研究補助金は、追加採択分として12月25日に交付されたために、今年度は進行波型アンテナ用計算機コードの開発、進行波型アンテナを用いたビート波励起実験の検討、高周波計測器等の購入等を行った。 まず、本年度より日本原子力研究所の非円形断面トカマク型核融合実験装置JFT-2Mとの協力研究を立ち上げ、進行波型アンテナを用いた速波のビート波励起によるトロイダルアルフベン固有モードの外部励起実験の検討を行うと同時に、進行波型アンテナ用に結合コードの改良拡張を行った。基になったプラズマ-アンテナ結合コードは、従来から日本原子力研究所でJT-60用ICRFアンテナのプラズマ結合特性の解析に用いられてきたコードであるが、今回の改良では、現在JFT-2Mの真空容器内に設置されたコムラインアンテナの電流分布を模擬し、先端開放型の12本アンテナアレイ上を、トロイダル方向に減衰しながら伝搬する進行波電流を複素伝搬定数で表現し、アンテナからの放射に伴うアンテナ電流の減衰を考慮に入れながら結合計算を行った。その結果、進行波型アンテナではプラズマとの結合が良好な場合ほど、放射電力の波数スペクトルが鈍化する事が判明し、電流駆動効率が低下することが推測された。従って、進行波型アンテナを用いる際には、従来のループアンテナとは逆に、プラズマをアンテナから離して結合抵抗を低くし、リング共振器を用いて給電する方式が最適であることが判った。この特性は、将来の核融合炉でのアンテナの熱負荷軽減に有利に働くと考えられ、更なる進行波型アンテナの優位性が確認された。
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