1998 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる海洋からの生物起源硫黄の放出過程の解明と気候変動への影響
Project/Area Number |
10480129
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 茂 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (10137987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土器屋 由紀子 東京農工大学, 農学部, 教授 (10011909)
竹内 延夫 千葉大学, 環境リモートセンシグ研究センター, 教授 (60101044)
駒崎 雄一 慶応義塾大学, 理工学部, 助手 (80286640)
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Keywords | 生物起源硫黄 / 海洋からの放出過程 / リモートセンシング / ジメチルスルフィド / 硫化カルボニル / 気候変動への影響 / メタンスルホン酸 |
Research Abstract |
地球の気候変動の観点から、海洋大気中におけるDNS、COS、MSA等の生物起源硫黄化合物濃度の測定が行われるようになってきた。しかしながら、全地球的な立場から言えば、海洋大気中における硫黄化合物の濃度分布及び海洋からの生物起源の硫黄放出過程については未だ不明な点が多い。そこで、本研究においては、海洋上のDMS、COS、MSA等の生物起源硫黄化合物の測定方法を確立し、実際に海洋での大気・海水調査を行い、これら生物起源硫黄化合物の大気・海水中の濃度分布を明らかにし、海洋からの生物起源硫黄の生成・放出過程を解明する。 船舶を利用した海洋における調査では、人手の労力をかけずにこれら硫黄化合物の測定を行うには測定装置の自動化が要求される。そこで、捕集装置とカスクロマトグラフとを接続し、シーケンサー制御による自動連続測定装置を製作した。又、海洋における生物起源硫黄化合物の生成過程を解明する為には、海洋大気ばかりでなく海水中のDMS、COSの測定も並行して行わなければならない。海水中のDMS、COS濃度の測定には、海水を送液ポンプにより脱気槽に導入し、Heパージカスを通気して海水中のDMS、COSを海水から追い出す。海水から追い出されたDMS、COSは、大気試料と同様にしてコールドトラップによる捕集装置で捕集され、その後は、大気試料の分析と同様にガスクロマトグラフに導入しDMS、COSが分離・定量する。平成10年度製作した自動連続測定装置を用いて、海洋からの生物起源硫黄化合物の植物プランクトンによる放出過程を解明する為に、名古屋大字太陽地球環境研究所の協力を得て、同研究所の佐久島観測所を利用し、三河湾における日本沿岸地域での生物起源硫黄化合物の測定調査を年間を通じて行った。
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