1998 Fiscal Year Annual Research Report
パキシリンアイソフォームを介する接着・運動シグナルの統御機構の解析
Project/Area Number |
10480199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
佐邊 壽孝 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究部長 (40187282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 元 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (00284414)
真崎 雄一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (60311304)
橋本 茂 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (50311303)
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Keywords | 細胞接着 / 細胞運動 / カドヘリン / 斉一単層形成能 / インテグリン / 上皮間充織形質転換 / 接触阻止 |
Research Abstract |
正常な上皮細胞や内皮細胞は、増殖に伴う細胞運動を繰り返し、最終的にはカドヘリン分子を介する細胞同士が密接に接着した斉一な単層を形成する。培養された繊維芽細胞や間充織細胞もまた、カドヘリン分子を発現しないが、同様な斉一単層形成能を示す。この斉一単層形成能は、臓器や組織の構築やその維持に必須である。細胞運動は主にインテグリンによる細胞の細胞外基質への接着により担われる。従って、上皮細胞や内皮細胞の斉一単層形成過程には、インテグリンによる運動性形質とカドヘリンによる静止的形質との相互作用が関与し、両者の活性がうまく制御される必要がある。 この点を解明する為、我々は、上皮間充織形質転換系を実験系に用い、この転換に伴う主要な生化学的変化を明らかにし、さらに、その過程を人為的に変異させることにより、インテグリンによる運動性に異常をきたし、その結果、カドヘリンによる細胞同士の接着が正常に形成されないことを明らかにした。インテグリンとカドヘリンとの相互作用機構の解明は細胞生物学における積年の問題の一つであり、現在より詳しい分子レベルでの解析を行っている。また、繊維芽細胞や間充織細胞においては「細胞運動の接触阻止」という現象が知られている。このことにより、これらの細胞も培養した時に、斉一層を形成し、このことは同時に細胞のホメオスタシスを理解する上で重要な点である。この点にアプローチができると思われる実験系も構築でき、現在、同様に解析を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mazaki, Y., et.al.: "Paxillin isoforms in mice : lack of the γ isoform, and developmentally specific β isofrom expression." Journal of Biological Chemistry. 273. 22435-441 (1998)
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[Publications] Nishiya, N., et.al.: "The LIM domain of hic-5 protein recognize specific DNA fragments ina zinc-dependent manner in vitro." Nucleic Acids Research. 26. 4267-73 (1998)
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[Publications] Maruyama, T., et.al.: "The elevation of pp60c-src kinase activity during ovarian steroid-induced differentiation of human endometrial cells in vitro." Endocrinology. in press.