1999 Fiscal Year Annual Research Report
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10480213
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小川 正晴 理化学研究所, 細胞培養技術開発チーム, チームリーダー(研究職) (50111951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲嶋 一範 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90280734)
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Keywords | 脳皮質 / 層構造 / 細胞移動 / リーリン / Disabled-1 / リーラー / ヨタリ / CNR |
Research Abstract |
〔仲嶋〕ヨタリマウスは我々の研究室で単離された突然変異マウスであり、その表現型は、大脳皮質層構造逆転等、リーラーマウスと同様である。これまでに、ヨタリマウスにおいてはDisabled-1蛋白質が欠失していることを見いだしてきたが、本年度は更に、正常マウス及びヨタリマウスのdisabled-1遺伝子断片を単離し、そのゲノム構造の解析と比較を行った。その結果、機能的に重要なPTBドメイン付近の遺伝子構造を明らかにするとともに、ヨタリにおいては、disabled-1遺伝子にL1レトロトランスポゾンの挿入があり、ゲノムの一部を欠損していることが分かった。これにより、スプライシング異常が起こり、蛋白質が検出されないものと考えられた。この結果をもとに、PCRを用いたヨタリ変異の簡便な同定法も開発した。以上により、ヨタリマウスでみられる皮質形成異常の一次的原因が、確かにDisabled-1分子の欠損によることが確認できた。 〔小川〕新規カドヘリン型受容体ファミリー(cadherin-related neuronal receptor, CNR)がリーリンの受容体であることを明らかにした。これまでに、細胞外分子のリーリンを感知し、その標的細胞の細胞内タンパクDisabled-1のリン酸化に連結するような機能をもつリーリン受容体の存在が予想されていた。Disabled-1はSrc, Fynなど非受容体型のチロシンリン酸化酵素に結合する分子として分離された。八木らは先にFynと結合する分子の解析からCNRを単離した。CNRがReelinの受容体である可能性が予想されたので八木らと共同して検討した。その結果、CNRがリーリンの標的細胞に発現し、リーリンと結合すること。CNRとリーリンの結合が、リーリン抗体CR-50ないしCNRの細胞外領域に対する抗体によって阻害されること。両抗体によって、皮質ニューロンのリーリンによるDisabled-1のリン酸化が阻害されることを示した。これらのことから、CNRが機能的なリーリン受容体として、皮質構築過程に関わっていることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] S.Hossein Fatemi: "Defective corticogenesis and reduction in Reelin immunoreactivity in cortex and hippocampus of prenatally infected neonatal mice"Molecular Psychiatry. 4. 145-154 (1999)
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[Publications] Manuel Alvarez-Dolado: "Thyroid hormone regulates reelin and dabl expression during brain development"J.Neurosci.. 19. 6979-6993 (1999)
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[Publications] Toshio Kojima: "The disabled 1 gene is disrupted by a replacement with L1 fragment in yotari mice"Mol.Brain Res.. 75. 121-127 (2000)
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[Publications] Katsuhiko Mikoshiba: "Molecular mechanism involved in neural induction and neuronal fate determination"Neuronal Precursor Cell Biology and Application for Treatment of Inborn Error of Metabolism. 168-183 (1999)
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[Publications] Kazunori Nakajima: "Defining how the dramatype is developed in mouse model in view of clinical benefit for human"Microbial and Phenotypic Definition of Rats and Mice. (印刷中).
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[Publications] 仲嶋一範: "disabled"細胞内シグナル伝達改訂第2版(BioScience用語ライブラリー). 166-167 (1999)
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[Publications] 仲嶋一範: "大脳・小脳皮質における細胞配列の分子機構"神経回路形成と機能発達(蛋白質 核酸 酵素 増刊号). 45. 241-247 (2000)
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[Publications] Shigeyuki Nishikawa: "Transient and compartmental expression of the reeler gene product Reelin in the developing rat striatum"Brain Res.. 850. 244-248 (1999)
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[Publications] Kouji Senzaki: "Proteins of the CNR Family Are Multiple Receptors for Reelin"Cell. 99. 635-647 (1999)
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[Publications] Yuki Nakamura: "The bHLH Gene Hes1 as a Repressor of the Neuronal Commitment of CNS Stem Cells"J.Neurosci.. 20. 283-293 (2000)