大規模地震に対する各種擁壁構造物の実用的な耐震設計法に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10555159
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松尾 修 建設省土木研究所, 動土質研究室, 室長 ; 舘山 勝 (財)鉄道総合技術研究所, 技術開発事業本部, 主任技師 ; 早野 公敏 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40302632) ; 佐藤 剛司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30092224) ; 龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
• Keywords: 擁壁 / 補強土 / 耐震設計 / 模型実験 / 土圧 / 兵庫県南部地震 / すべり面 / ひずみの局所化

Research Abstract

長さ約200cm,奥行き60cmの土槽の中で、高さ50cm程度の重力式、L型RC擁壁及び補強土擁壁模型を用いて不規則波載荷による水平加振実験を実施した。兵庫県南部地震において神戸海洋気象台で記録された強震記録の時間軸を主要周波数成分が5Hzとなるように調整したものを加振波形として入力し、さらにその最大加速速度振幅を100galから100gal刻みで増加させるステップ加振を行った。擁壁各部の応答加速度や擁壁模型に作用する土圧を計測するとともに、裏込め土の変形状況の観察を行った。これらを、これまでに実施してきた傾斜実験と規則波(5Hz正弦波、一定振幅)による水平加振実験結果と比較した。その結果、これまでに実施した正弦波入力による加振時には裏込め土中に一つのすべり面しか生じなかったが、不規則波入力時には一つめのすべり面が生じた後で大きな加速度が作用すると二つめのすべり面が生じることを明らかにした。後者の傾向は、ひずみの局所化とひずみ軟化の影響を考慮して地震時主働土圧を算定することにより合理的に説明できる。また、ビデオ画像を解析することによりすべり面が生じ始めた時点の水平震度(不規則波加振の場合には最大加速度振幅を重力加速度で正規化した)を算定し、同じ条件の擁壁模型に対しては、この値が「傾斜実験<正弦波加振実験<不規則波加振実験」の順に大きくなることを示した。さらに、L型RC擁壁を対象にステップ加振時の加速度振幅の増分を変化させた正弦波加振実験を実施し、増分が25galと50galの場合に、加振履歴の違いが実験結果に及ぼす影響は小さいことを示した。

Research Products

• [Publications] Koseki,J.ほか: "Shaking and tilt table tests of geosynthetic-reinforced soil and conventional-type retaining walls" Geosynthetic International. Vol.5,Nos.1-2. 73-96 (1998)
• [Publications] Tatsuoka,F.ほか: "Seismic stability against high seismic loads of geosynthetic-reinforced soil retaining structures" Proc.of 6th Int.Conf.on Geosynthetics. Vol.1. 103-142 (1998)
• [Publications] Koseki,J.ほか: "A modified procedure to evaluate active earth pressure at high seismic loads" Soils and Foundations,Special Issue on Geotechnical Aspects of the January 17 1995 Hyogoken-Nambu Earthquake. Vol.2. 209-216 (1998)
• [Publications] Koseki,J.ほか: "A modified procedure to evaluate active earth pressure considering effects of strain localization in backfill soil" Bulletin of ERS. Vol.31. 3-11 (1998)
• [Publications] 古関ほか: "大きな地震荷重下において擁壁および補強土壁に作用する地震時主働土圧の評価法" 第10回日本地震工学シンポジウム. 1563-1568 (1998)
• [Publications] 舘山ほか: "盛土の地震時変形量の算定に関する研究" 土構造物の耐震設計に用いるレベル2地震動を考えるシンポジウム発表論文集. 101-108 (1998)