1998 Fiscal Year Annual Research Report
触媒反応をともなう吸収を利用した大気汚染物質の可逆的除去材料の開発
Project/Area Number |
10555280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江口 浩一 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00168775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽場 方紀 明電舎, 基盤技術研究所, 部長(研究職)
関澤 好史 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20253536)
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Keywords | 窒素酸化物 / 吸収除去 / 酸化ジルコニウム / 酸化触媒 / 硝酸イオン / 塩化水素 / 酸化マンガン |
Research Abstract |
排ガス中のNOx.HClなどは大気汚染物質としてその除去法の開発が急がれているが、希薄な状態で排ガス中に存在するので、触媒反応による無害化は困難を極める。本研究はこれらの汚染物質を固体材料中に吸収、蓄積した後、可逆的に放出することができる吸収材料の開発を目指している。本研究で見出したRu/ZrO_2-Al_2O_3上ではRu触媒によりNOxが硝酸イオンにまで触媒的に空気酸化され、Zr上に吸収蓄積される。吸収反応は酸素で促進され、反応は表面だけでなくバルクまで進行する。同様の効果はPt/ZrO_2-Al_2O_3でも見られたが、この場合800℃程度の高温で前焼成してはじめて高い吸収能を示す特異な挙動が見られた。 HCl吸収剤については、アルカリ金属を担持した系でいずれも高い吸収能が得られたが、これらはいずれも吸収後、安定な塩化物を形成するために可逆的な吸収放出はできなかった。一方、Mn_2O_3をγ-Al_2O_3に担持した吸収剤では、HClを大量に吸収し、しかも生成する塩化物は加熱により容易に分解し、HClを放出することができた。塩化物への吸収反応はMnイオンの還元を、放出反応は空気酸化を伴うので。反応は雰囲気調整により制御が可能であると考えられる。アルミナ担持によりMn酸化物の高分散状態を実現することが高い吸収能に関連することが明らかになった。
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[Publications] Koichi Eguchi, Takahashi Kondo, Tomio Hayashi, Hiromichi Arai: "Sorption of nitrogen oxides on MnOy-ZrO_2 and Pt-ZrO_2-Al_2O_3" Applied Catalysis B: Environmental. 16. 69-77 (1998)
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[Publications] Koichi Eguchi, Tomio Hayashi: "Reversible sorption-desorption of NOx by mixed oxides under various atomospheres" Catalysis Today. 45. 109-115 (1998)