1998 Fiscal Year Annual Research Report
歪みゲージ変位計による作物の環境ストレスのリアルタイム診断
Project/Area Number |
10556013
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 耕之輔 広島大学, 生物生産学部, 教授 (90002170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 克己 四日市大学, 生物資源学部, 教授 (00298663)
伊藤 純樹 広島県立農業技術センター, 研究員
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Keywords | 水ストレス / 塩ストレス / 歪ゲージ式変位計 / 茎径変化 / 果実径変化 / 光合成 / 水ポテンシャル / リアルタイム診断 |
Research Abstract |
園芸作物(トマトおよびカキ)を用い、環境ストレスのリアルタイム診断法の確立を計るための基礎的実験を実施した。 実験1トマトの水ストレスが茎・果実径の変化、光合成能、および水ポテンシャル等に与える影響: トマト品質、ハウス桃太郎(台木:影武者)を土壌栽培(22-Lコンテナー)し、第2花房の果実肥大期にファイトトロン(自然光、昼・夜22C、相対温度70%)で水ストレス処理(無潅水)を与え、対照区(潅水、pFL8)および無潅水区を設け、処理開始後、茎・果実の径変化(歪みゲージ式変位計)、光合成能(携帯用光合成測定装置で測定)、^<18>CO_2同化実験を行い、さらに第2花房内の葉を採取して水ポテンシャルを連続測定した。^<18>CO_2同化実験は処理開始、1および2日目に行い、^<18>C同化後4時間後に植物体を採取し、各部位に分け、乾燥粉砕後、^<18>Catom%を質量分析(ANCA-SL)で測定した。 実験結果:1)茎径は処理開始後24時間目(処理後1日後の正午)から水ストレスの影響が認められ、茎径の収縮が促進され、この影響はその後さらに拡大した。2)これとほぼ平行して水ストレス区で果実径の減少が観察され、その減少程度は経時的に拡大した。3)みかけの光合成能はこれよりやや遅れて水ストレスによる減少が認められ、これは気孔抵抗の変動と関連した。4)^<18>C転流率は水ストレス処理後48時間頃から処理によって低下したが、^<18>C分配率に対する影響は明朗でなかった。これらの結果より、葉の光合成能に比べて果実肥大の方がより早く水ストレスの影響を受けやすいと推定され、歪みゲージ式変位計による茎・果実の径変化の測定が植物の水ストレスを診断する上で極めて有効であると推測される。 実験2塩ストレスがカキの水ストレスが茎・果実径の変化、光合成、および水ポテンシャル等に与える影響: カキ(西条ガキ)をポット(60-L)で土壌栽培し、100mM NaClを散布し、塩処理を行い、実験1と同様に、茎・果実径の変化、光合成能、および水ポテンシャルなどを一斉に測定した。結果は、茎径は処理開始後1日目、果実径は4日目、光合成能は5日目からそれぞれ処理の影響が観察された。すなわち、塩ストレスの影響も歪みゲージ式変位計によって早期に測定しうることが分かった。この場合、茎径の変動が塩ストレスに敏感に反応する点で特徴的だった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Ito,H.Hasegawa,K.Fujitaら: "Real time diagnosis of environmental stress by minomorphomehre method.I." Soil Science and Plant Nutrition. (印刷中).
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[Publications] J.Ito,H.Hasegawa,K.Fujitaら: "Effect of CO_2 enrichment on fruit growth and quality in Japanese pear" Soil Science and Plant Nutrition. (印刷中).