2000 Fiscal Year Annual Research Report
オステオポンチンによる生体防御反応の制御機構解析とそれに基づく難病診断・治療戦略
Project/Area Number |
10557024
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 雅弘 株式会社免疫生物研究所, 次長
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Keywords | オステオポンチン / 肉芽腫 / アレル / トランスジェニックマウス / iNOS |
Research Abstract |
1.酵母の菌体成分であるzymosanを異なるマウスの系統に静注することにより、マウス系統間で、慢性肉芽腫病変形成に大きな系統差が存在することを見出した。C57BL/6、Balb/c、及びDBAマウスは著明な肉芽腫形成を認めたが、C3H、CBA、及びSJLマウスは有意な肉芽腫の形成は認めなかった。これまでの報告で肉芽腫形成に重要な働きをしているとされるケモカインやサイトカインであるMIP-1α、MIP-2、MCP-1、GM-CSF等のmRNA発現に系統差は認められなかった。iNOS mRNAの発現は肉芽腫形成の著明であったマウスで上昇しており、肉芽腫の形成の認められなかったマウスでは発現していなかった。iNOS発現を制御する作用を有し、かつ炎症細胞動員に関与するオステオポンチン(以下OPN)につき検討したところ、OPNのアレルと肉芽腫形成能に有意な相関を見出した。すなわちaとcのアレルを有するマウスはzymosan投与後、iNOS mRNAの発現上昇が見られ、著明な肉芽腫を形成するが、bのアレルを有するマウスはiNOS mRNAの発現上昇はなく、肉芽腫も形成されなかった。aとbの塩基配列はすでに明らかでありcをクローニングし塩基配列を決定した。aとcの塩基配列は、ほぼ同一であるが、bは1塩基変異が散在し、細胞接着ドメイン近傍にも変異が認められた。OPN mRNAの発現には系統差が認められないことより、zymosan投与後OPNアレルb蛋白が産生されるマウスでは、その変異のためOPN本来の機能を果たせず、またiNOS mRNAの発現異常をきたし肉芽腫形成が欠除するものと思われた。 2.OPNトランスジェニックマウスにzymosanを投与すると、対照群に比し有意に肉芽腫が増加した。OPNに対する単クローン抗体を投与することにより、肉芽腫形成が著明に抑制された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Takahashi: "Immunologic self-tolerance maintained by CD25 (+) CD4 (+) regulatory T cells constitutively expressing cytotoxic T lymphocyte-associated antigen 4."J.Exp.Med.. 192(2). 303-310 (2000)
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[Publications] N.Shijubo: "Vascular endothelial growth factor and osteopontin in tumor biology."Crit.Rev.Oncog.. 11(2). 135-146 (2000)
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[Publications] S.Kon: "Antibodies to different peptides in osteopontin reveal complexities in the various secreted forms."J.Cell.Biochem.. 77(3). 487-498 (2000)
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[Publications] S.Chikuma: "Janus kinase 2 is associated with a box 1-like motif and phosphorylates a critical tyrosine residue in the cytoplasmic region of cytotoxic associated molecule-4."J.Cell.Biochem.. 78(2). 241-250 (2000)
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[Publications] S.Chiba: "The role of osteopontin in the development of granulomatous lesions in lung."Microbiol.Immunol.. 44(4). 319-332 (2000)
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[Publications] M.Takemoto: "Enhanced expression of osteopontin in human diabetic and analysis of its functional role in accelerated atherogenesis."Arteriouscler.Thromb.Vasc.Biol.. 20(3). 624-628 (2000)