1998 Fiscal Year Annual Research Report
新型インフルエンザ出現に備えたカセットセオリーに基づくペプチドワクチンの作製
Project/Area Number |
10557025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 一誠 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (20169163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜田 宏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10109506)
小野上 和則 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (40002117)
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Keywords | MHC / ペプチドワクチン / 新型インフルエンザウイルス / HA / カセットセオリー |
Research Abstract |
我々はH3インフルエンザウイルスのヘムアグルチニン(HA)の127-133番残基を、我々の作成したMHC結合性部分の中央に挿入してペプチドワクチンを作成した。このペプチドワクチンは、B6マウスのT細胞およびB細胞を活性化してH3インフルエンザウイルスの感染を抑制した。このH3インフルエンザウイルスのHA127-133に相当する部分を、我々がシークエンスしたカモから分離された種々のインフルエンザウイルスのHAに基づいて選択した。これらのシークエンスをMHC結合性部分の中央に挿入して、HlからH5までのインフルエンザウイルスに対応する種々のペプチドを作製した。これらのペプチドをヒトMHCクラスIIであるDQ6遺伝子導入マウスに免疫し、T細胞反応と抗体産生を測定した。その結果、これらのペプチドはT細胞反応を誘導し、抗体産土を増強した。現在、この抗体が試験管内でHlからH5まで種々のインフルエンザウイルスを中和するかどうか検討している。H5とH7は鳥類では強毒でヒトでいつ流行してもおかしくないので、これらに対するペプチドワクチンの作成を優先する必要がある。H5に関しては、H3インフルエンザウイルスのHA127-133に相当する部分を使用したペプチドワクチンで免疫して得られた抗体は、中和活性があまりなかった。そこで、現在他の部分を使用したペプチドワクチンを作成し抗体を産生させ、中和活性を検討している。 DQ6遺伝子導入マウスまたはB6マウスに、上記のペプチドワクチンをリポソームに入れて鼻腔より投与し、インフルエンザウイルスに対する感染予防効果も判定する予定である。その前に、投与回数の減少およびワクチン効果の増強の目的で、樹状細胞を活性化しアジュバント効果がある抗CD40抗体をペプチドワクチンと同時に鼻腔より投与してその効果を検定している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Namba,K: "Identification of a peptide inducing experimental autoimmune uveoretinitis(EAV)in H-2A^K Carrying mice" Clin.Exp.Immunol.111. 442-449 (1998)
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[Publications] Takahashi,A: "Development of peptide vaccines inducing production of neutralizing antibodies against HIV-1 viruses in HLA-DQ6 mice" Vaccine. 16(16). 1537-1543 (1998)
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[Publications] 小笠原 一誠: "ペプチドワクチン" 治療学. 32. 1524-1528 (1998)
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[Publications] Iwabuchi,C: "Intrathymic selection of NK1・1^+α/βT cell antigen receptor(TCR)^+ cells in transgenic mice Learing TCR specific for chicken ovalbuminand restricted to I-A^α" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 95. 8199-8204 (1998)
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[Publications] Takahashi,A: "Antisense macrophage migration inhibitory factor(MIF)preventsanti-IgM mediated growth arrest and apoptosis of a murine B cell line by regulating cell cycle progression" Microbiol.Immunol.43(1). 61-67 (1999)
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[Publications] Kojyo,T: "Induction of endometriosis and adenomyosis by transraginal pituitary transplantation in mice with and without natural killer cell activity" Ame.J.Reprod.Immunol.40. 441-446 (1999)
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[Publications] Matsuki,N: "Prevention of intection of influenza virus in DQ6 mice,a human model,by a peptide vaccine prepared according to the cassette theory" Vaccine.(印刷中).
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[Publications] Kitaichi,N: "Prominent increase of macrophage migration inhilitory factor in the sera of patients with Uveitis" Investigative Ophthalmology & Visual Science. 40. 247-250 (1999)