1999 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞増殖因子(SCGF)の遺伝子組換え発現と血液学診断、治療医薬品への応用
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10557094
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
平岡 篤信 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (00159112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 整治 協和醗酵工業株式会社, 東京研究所, 主任研究員
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Keywords | SCGF / 造血幹細胞増殖因子 / 遺伝子組換え / In situ hybridization / 骨・軟骨組織 / 造血活性 / 骨髄細胞 / 赤芽球 / 顆粒球系前駆細胞 |
Research Abstract |
遺伝子組換え型ヒト(rh)SCGFを調製しその造血活性について検討した。 1.SCGF遺伝子の組換え発現:SCGF cDNAを入れた発現ベクターpAGE210由来プラスミドpAGE-SCGF-αを電気穿孔法によりdhfr欠損CHO細胞に導入した。hygromycin Bおよび50〜200nM MTX添加α-MEM中でSCGF遺伝子発現CHO細胞を選択した。 2.抗SCGF抗体の作製:合成SCGF(27-46)ポリペプチドで免疫されたラットから抗体産生ハイブリドーマを作製しモノクロナル抗体を得た。ビオチン化抗体を精製各段階のWestern BlottingによるSCGF確認に供した。 3.rhSCGFの精製:SCGF遺伝子発現CHO細胞をEX-CELL301培地で培養し、上清からSCGFを亜鉛キレーティング、硫安沈澱、MonoQクロマト、Superose6ゲル慮過により精製した。SCGF(45kDa)はシアル酸を含むO結合糖タンパクで、N末はAla22であった。N末28aa欠失体の発生はプロテアーゼ阻害剤の添加などにより回避できた。 4.rhSCGFの造血活性:ヒト骨髄CD34^+Lin^-細胞に対してSCGFはEpo存在下で赤芽球バースト増強活性(BPA)、GM-CSF、G-CSF存在下でGMコロニー増強活性(GPA)を示した。SCGFはCSAを欠くがクラスター形成能を有し、BPAに対してSCFと競合阻害を、GPAに対してIL-3、flt3-Lと相乗作用を示した。 5.In situ hybridization:マウス全胎児および脛骨における解析で、SCGFmRNAは骨髄、骨、軟骨に、とりわけ生長板では増殖軟骨にのみ限局発現されていた。SCGFは造血の他骨形成にも関与する可能性がある。 この他、SCGFのヒト骨髄細胞CD発現への影響や遺伝子組換え型マウスSCGFの調製、生物活性の検討も実施中である。
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