1998 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞増殖因子(SCGF)の遺伝子組換え発現と血液学診断、治療医薬品への応用
Project/Area Number |
10557094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
平岡 篤信 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (00159112)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美王 宏之 協和醗酵工業(株), 医薬総合研究所, 主任研究員
|
Keywords | SCGF / 造血幹細胞増殖因子 / サイトカイン / 遺伝子組換え / 骨髄 / C型レクチン / ストローマ細胞 / 染色体 |
Research Abstract |
ヒト遺伝子組換え型SCGFの調製に先立って処理すべきいくつかの問題点を検討し解決した。1. ヒト全長型SCGF遺伝子:ヒト骨髄polyA^+RNAに対し、SCGFのN/C末端部合成DNAプライマーを用いてRT-PCRを行った。クローン化した増輻cDNAは従来のSCGFに78アミノ酸が付加した969塩基;323アミノ酸からなり、前者をSCGF-α、後者をSCGF-βと命名した。 2. 他哺乳動物のSCGF遺伝子:マウス頭蓋冠ストローマ細胞株MC3T3-G2/PA6およびラット骨肉腫細胞株ROS-17/2.8-5から調製したcDNAライブラリーに対しRT-PCRにより増幅したcDNAをクローン化した。各々のSCGF遺伝子は1,399塩基/984塩基;328アミノ酸からなり、ヒトSCGF-αと90.4%の相同性を示した。 3. SCGF分子の特徴:SCGFアミノ酸配列に対し遺伝子データベースからモチーフ検索を行ったところ、Ca^<2+>依存性糖認識領域を認めSCGFはC型レクチンの一員である事が判明した。この他、酸性領域、糖鎖O結合PST領域、ロイシンジッパー領域を認めた。 4. SCGFmRNAの組織発現:Northem解析の結果、SCGF遺伝子発現は骨髄を筆頭に、牌、虫垂、胸腺、胎児肝には高いが末梢血白血球には低く、SCGFの造血関連遺伝子としての意義が示唆された。 5. SCGFの染色体遺伝子座:FISH解析によりヒトおよびマウスSCGF遺伝子は各々19q13.3、7B3-B5に同定された。同部位はflt3リガンド、IL-11などの早期作用造血因子遺伝子の集積部位であり興味深い。 以上の他、抗SCGF抗体の作製やヒト、マウスSCGF遺伝子の動物細胞/大腸苗における安定発現の下準備も実施しているが、その経過ならびに成果については次年度以降に報告する。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 美王宏之: "Isolation and characterization of a cDNA for human,mouse,and rat full-length stem cell growth factor,a new member of C-type lectin superfamily" Biochemical and Biophysical Research Communications. 249・1. 124-130 (1998)