1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規リウマチ治療薬の開発をめざした雷公藤製剤TIIの成分研究
Project/Area Number |
10557209
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 喜久 徳島大学, 薬学部, 教授 (60035558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 幸久 大塚製薬株式会社, 細胞工学研究所, 研究員
村上 光太郎 徳島大学, 薬学部, 助手 (10035553)
川添 和義 徳島大学, 薬学部, 講師 (00248296)
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Keywords | リウマチ / インターロイキン / ジテルペン / セスキテルペン / アルカロイド / 雷公藤 / 天然物 / クロズル |
Research Abstract |
ニシキギ科クロズル属生薬、雷公藤(Tripterygium wilfordii)は、近年中国でリウマチ性関節炎、慢性腎炎、強直性脊髄炎、全身性エリトマデスに対する治療に臨床で用いられ著明な成果を上げている。本研究ではこの生薬、雷公藤の活性成分を明らかにすること、類縁植物の成分研究並びにこれら植物の組織培養についての研究を進めている。昨年度は生薬、雷公藤から製した製剤T_<II>の成分研究を進めた。本年度も昨年度に引続き雷公藤製剤T_<II>の残りの分画の分離並びに新たに類縁植物、昆明山海棠及びコバノクロズルの成分研究を進めた。成分の分離にはリウマチ発症に強く関与していることが報告されているサイトカインの一種インターロイキン-1(IL-1)産生遊離阻害作用を指標として進めた。今年度は残りの活性分画2つについてIL-1産生遊離阻害作用を指標としながら、各種クロマトグラフイー(シリカゲル、セフアデックスLH-20、HPLC等)を駆逐し分離を進めた。 その結果、雷公藤製剤T_<II>よりセスキテルペン25種(その中10種は新規化合物)、ジテルペン8種(その中1種は新規化合物)、トリテルペン8種(その中1種は新規化合物)を単離し、その構造を明らかにした。また昆明山海棠より新規化合物10種を含む24種の化合物を単離しその構造を決定した。この内1種は分子内にモノテルペンとアルカロイドがそれぞれ大環状構造を有しているセスキテルペンで、天然物としては極めて珍しい化合物である。その成果の一部は雑誌に掲載した。また、雷公藤製剤T_<II>から単離したジテルペンの構造と免疫抑制作用についても雑誌に掲載された。本年度の研究で雷公藤製剤T_<II>並びに昆明山海棠に含まれる化合物の成分、活性化合物の構造を更に数多く明らかにする事が出来た。
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[Publications] H.Duan,Y.Takaishi,M.Bando,M.Kido,I.Imakura,K-H,Lee: "Novel sesquiterpenes Ester with alkaloid and Monoterpene and Related Compounds from Tripterygium hypoglancum"Tetrahedron letters. 40・15. 2969-2972 (1999)
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[Publications] B.Chen,H.Duan,Y.Takaishi: "Triterpene Caffeoyl esters and diterpenes from Celabtras stephanotifolius"Phytochemistry. 51. 683-687 (1999)
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[Publications] H.Duan,Y.Takaishi,Y.Jia.: "Sesquiterpene Alkaloids from Extract of Tripterygium wilfordii"Chem.Pharm.Bull. 47・11. 1664-1667 (1999)
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[Publications] H.Duan,Y.Takaishi,H.Momota,Y.Ohmoto,T.Takai,Y.Jia,D.Li: "Immunosuppressive Diterpenoids from Tripterygium wilfordii"J.Natural Products. 62・11. 1522-1525 (1999)