1998 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質βγサブユニットの機能解析と創薬への利用技術の開発
Project/Area Number |
10557220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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Keywords | G蛋白質 / βγサブユニット / 細胞膜受容体 / チロシンキナーゼ / イノシトールリン脂質3キナーゼ / アデニル酸シクラーゼ |
Research Abstract |
細胞膜受容体刺激によってG蛋白質はαサブユニットとβγサブユニットとに解離するが、αサブユニットに加えて、近年βγサブユニット(Gβγ)もいくつかのエフェクター分子の活性を直接制御することが見出されてきた。Gβには約40アミノ酸単位からなるWDモチーフと呼ばれる配列が7回繰り返して存在するが、最近のX線構造解析から、GβはWDモチーフの1つがプロペラの羽根の部分を形成し、全体として7枚羽根のβプロペラ一様構造をとるように配置されていることが示された。本研究では、Gβγが、種々の効果器の活性を調節する分子機構について解析し、以下の知見を得た。1、チロシンリン酸化を引き起こすインスリンとG_i-共役型受容体のアゴニストである化学走化性因子fMLPの両者で好中球細胞を刺激すると、相乗的なイノシトールリン脂質3-キナーゼ(PI3K)の活性化が観察された。2、チロシンリン酸化ペプチドとG-βγによって相乗的に活性化されるPI3Kとして、110-kDaβ-触媒/85-kDa調節サブユニット2量体を同定し、Gβγが110-kDaβ-触媒サブユニットに作用することを見出した。3、G_S-α存在下のGβγによる2型アデニル酸シクラーゼの活性化において、Gβはその第1WDモチーフを中心として相互作用することが示された。4、酵母のtwo-hybrid系を用いた解析から、Raf-1キナーゼはGβのC末端側の第6WDモチーフ及び第3WDモチーフと相互作用する可能性が見出された。すなわち、Gβγ-効果器間の結合においては、Gβの7つのWDモチーフがエフェクターの種類によって使い分けられていることが見出された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Hoshino,et al.: "Molecular cloning of a novel member of the eukaryotic polypeptide-chain releasing factors (eRF):Its identification as eRF3 interacting with eRF1." J.Biol.Chem.273. 22254-22259 (1998)
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[Publications] T.Imanaka,et al.: "Reconstitution of insulin signaling pathways in rat 3Y1 cells lacking insulin receptor and insulin receptor substrate-1." J.Biol.Chem.273. 25347-25355 (1998)
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[Publications] T.Sasaki,et al.: "Activation of c-Jun N-terminal kinase (JNK) by lysophosphatidic acid in Swiss 3T3 fibroblasts." J.Biochem.124. 934-939 (1998)
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[Publications] J.A.Sanchez,et al.: "Modulation of reconstituted ATP-sensitive K^+ channels by GTP-binding proteins in a mammalian cell line." J.Physiol.507. 315-324 (1998)
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[Publications] O.Hazeki,et al.: "Activation of PI 3-kinase by G protein βγ subunits." Life Sci.62. 1555-1559 (1998)
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[Publications] T.Katada,et al.: "Synergistic activation of a family of phosphoinositide 3-kinase via G-protein coupled and tyrosine kinase-related receptors." Chemistry and Physics of Lipids. (印刷中). (1999)
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[Publications] 堅田 利明: "細胞機能と代謝マップII.細胞の動的機能(日本生化学会編)" 東京化学同人, 292 (1998)