2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10557256
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Research Institution | THE JAPANESE RED CROSS COLLEGE OF NURSING |
Principal Investigator |
佐藤 裕子 (黒田 裕子) 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90234616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中木 高夫 名古屋大学, 医学部保健学科, 教授 (40110564)
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (10208580)
川島 みどり 健和会臨床看護学研究所, 所長
木村 義 NECソリューションズ, 研究職
齋藤 彰 NECソリューションズ, 研究職
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Keywords | 看護学生 / 論理的思想 / 教育方法 / コンピューター・ソフトウェア / ルールセット / 推論過程 / 看護過程 / 看護実践能力 |
Research Abstract |
本研究は看護学生の理論的思考を育成する教育方法の1つとして、看護方法学の授業教材として使用できるコンピューター・ソフト・ウエアの作成を目指した。このソフトウエアの基盤を構築するために未だ明らかにされていない看護者に特有な推論構造を解明する目的で平成10年度に予備調査を実施した。結果、経験の厚い看護者の推論をより密着して詳細に調査することが必要となり、平成11年度には本調査を実施した。結果、手がかりから仮説へと至る看護者の推論プロセスの特徴、対-患者場面で看護者の即座の行為を導く推論の特徴、さらに看護者に追加される情報によって推論が発展していくことが明らかとなった。得られた資料を土台として、平成12年度から平成13年度にかけて、ソフトウエアの主軸となるルールセットを構築していった。このルールセット作成作業では現象データからどのような推論が生まれてくるかをシュミレーション化したうえで、現象→推論→根拠→否定手段の4要素のルールからなるセットを蓄積していった。これらをシステムに組み込む作業を経たうえで、ユーダーインターフェイスを開発、ソフトウエア化していった。これと平行し本研究で作成するソフトウエアの適用対象となる看護学生の思考発展調査を平成12年度から13年度にかけて行った。結果、看護学の専門的知識を学習する前の時期は自らの生活体験や身近な家族・親戚、そして講義などの影響が大きい学生の思考は、基礎実習を経ることによって、さらに看護過程や看護専門知識の学習を経ることによって、現象を見る視点が多様化し語彙量が増え、表現豊になっていくという思考の発展が明らかとなった。学生の思考発展に応じた適切な時期と活用法を考慮に入れながら論理的思想を育成することを目指す本ソフトウエアの授業教材化と評価が今後の課題である。
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Research Products
(24 results)
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[Publications] 本庄恵子: "慢性期患者との相互作用場面における看護者の即座の行為に関する研究"日本赤十字看護学会誌. 2・1. 61-69 (2002)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(19) NANDA、NIC、NOCの新しい動向"看護実践の科学. 26・4. 73-77 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(20) 事例をタキソノミーIIでアセスメントする1"看護実践の科学. 26・5. 72-77 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(21) 事例をタキソノミーIIでアセスメントする2"看護実践の科学. 26・6. 73-77 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(22) 事例をタキソノミーIIでアセスメントする3"看護実践の科学. 26.8. 74-79 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(23) 事例の全体像を描写しNANDA、NOC、NICを適用してみる(1)"看護実践の科学. 26・9. 71-78 (2001)
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[Publications] 川島みどり: "川島みどりの看護論講座1"看護実践の科学. 27・1. 68-73 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "川島みどりの看護論講座2"看護実践の科学. 27・2. 66-70 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "川島みどりの看護論講座3"看護実践の科学. 27・3. 62-67 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "看護記録のめざすもの-個別の療養生活の再現と実践の言語化"看護実践の科学. 27・3. 8-30 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "ディスカッション-記録開示のい条件をさぐる"看護実践の科学. 27・3. 47-67 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "からだの訴えを正確に把握するバイタルサインの捉え方 1"Nurs Today. 16・12. 8-11 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(24) 事例の全体像を描写しNANDA、NOC、NICを適用してみる(2)"看護実践の科学. 26・10. 75-79 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(25) 事例の全体像を描写しNANDA、NOC、NICを適用してみる(3)"看護実践の科学. 26・11. 76-79 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(26) 事例の全体像を描写しNANDA、NOC、NICを適用してみる(4)"看護実践の科学. 26・12. 68-71 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(27) 対応の困難な事例へのNANDA、NOC、NICを適用(1)"看護実践の科学. 27・1. 76-79 (2002)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断 これからの課題(27) 対応の困難な事例へのNANDA、NOC、NICを適用(2)"看護実践の科学. 27・2. 74-79 (2002)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断を記録-看護成果(看護アウトカム)と看護介入を踏まえて"看護実践の科学. 27・3. 47-67 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "看護実践上のエビデンスの検索について"EB NURSING イービー・ナーシング. 1・3. 102-107 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "「エビデンスをつくる看護研究」にNANDA、NOC、NICをどう活用するか(1)"EB NURSING イービー・ナーシング. 1・4. 78-84 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "「エビデンスをつくる看護研究」にNANDA、NOC、NICをどう活用するか(2)"EB NURSING イービー・ナーシング. 2・1. 86-93 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "クリニカルパスとEBN研究(1)"EB NURSING イービー・ナーシング. 2・2. 88-95 (2002)
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[Publications] 川島みどり: "焦点 臨床看護に関する研究の動向と今後の課題"看護研究. 34・5. 367-374 (2001)
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[Publications] 黒田裕子: "看護診断の使い方-事例でわかる看護診断・看護アウトカム・看護介入分類法"看護の科学社. 160 (2002)