2001 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の海水への溶存状態精密解析とオンサイト計測システム構築
Project/Area Number |
10558084
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本水 昌二 岡山大学, 理学部, 教授 (50032826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 俊夫 岡山大学, 理学部, 助手 (50263554)
大島 光子 岡山大学, 理学部, 助教授 (80108117)
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Keywords | 二酸化炭素 / 海水 / 溶存状態解析 / オンサイト計測システム / 大気二酸化炭素計測 / 海水二酸化炭素計測 / アルカリ中炭酸塩測定 / 大気-海洋分配平衡 |
Research Abstract |
本研究は,大気中の二酸化炭素(CO_2)および海水中に存在する全二酸化炭素(総炭酸)のオンサイト精密測定装置を開発し,(大気-海洋)間のCO_2の交換速度・量の正確な計測を現場で迅速・正確に行うことを目的とした.そのために必要な精密測定装置及び測定法を新たに開発した.これらの装置・方法を用いて,海水中の総炭酸及びそれと接する大気中のCO_2の精密測定が初めて可能となった.更に,平衡論的解析法を用いて海洋中のCO_2の溶存状態を明確にし,(大気-海洋)間の分配平衡・平衡速度を求めることができた.主な実績は次の通りである. 1.FIA方式ガス拡散/吸光検出法に基づく大気,海水中の総炭酸定量用可搬型精密測定装置開発:測定現場に運び容易に測定できる可搬型フローインジェクション方式総炭酸測定装置を開発した.この装置は,新開発の高効率ガス拡散ユニットを内蔵し,重さ約8kg,12Vバッテリー駆動方式である.海洋水は,直接注入し,短時間(約3分)で測定できる.大気試料は2mlの吸収液を入れたプラスチック製シリンジに採取し,吸収液を測定装置に注入することで測定できる.海洋,大気の両相の濃度が同時に測定可能となり,平像,非平衡等のオンサイト情報を初めて求めるとができた.2.総炭酸のオンサイト検出試薬の合成・開発と高感度検出反応系の開発:高感度測定用の発色試薬として,アゾ系試薬の合成・開発に成功した.この試薬は450nmでの測定に使用でき,LED光源による吸光光度測定が可能となり,測定の安定性,信頼性,省電力等のメリットが生まれた.3.海水中のCO_2の溶存種解明,化学反応の解析と全溶存種の濃度解析システムの構築:海水中の水溶液内平衡ね反応と総炭酸濃度を用いて,溶存化学種濃度を予測することが可能となった.これにより,(大気-海洋)間のCO_2の分配平衡及び分配速度の解析に初めて成功した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Lan Ma: "Microscale absorption procedure for simple and rapid gas-liquid extraction and its applicaton to the determination of nitrogen dioxide"chemistry Letters. 2001. 318-319 (2001)
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[Publications] 馬 蘭: "フローインジェクション分析法のダウンサイズ化と環境分析への応用"環境と測定技術. 28. 47-52 (2001)
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[Publications] Mitsuko Oshima: "Highly sensitive determination methods for total carbonate in water samples by flow injection analysis coupled with gas-diffusion separation"Analytical Sciences. 17. 1285-1290 (2001)
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[Publications] Yanlin Wei: "Continuous in-situ analysis of total carbonate in water by a reversed-flow injection method"Journal of Flow Injection Analysis. 18. 156-161 (2001)
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[Publications] Yanlin Wei: "Monitoring the removal of carbonate from alkali metal hydroxide solution using gas diffusion flow injection"The Analyst. 127(in press). (2002)
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[Publications] Yanlin Wei: "The application of the chromatomembrane cell for the absorptive sampling of nitrogen dioxide followed by continuous determination"Talanta. 57(in press). (2002)