1998 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア彫刻史上におけるドヴァーラヴァティー様式の成立と展開に関する基礎研究
Project/Area Number |
10610056
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
秋山 光文 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60130861)
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Keywords | 東南アジア美術 / ドヴァーラヴァティー |
Research Abstract |
平成12年度までの3年計画で始まった本研究は、初年度にあたる平成10年度、下記の機器を揃えることにより、画像資料の収集及びデータ入力のプログラムを立ち上げた。 1. ノート型パソコン(IBM THINKPAD600) 2. フィルムスキャナ(NIKON LS-2000) 3. イメージスキャナ(Epson GT-9500ART/WIN) 4. DVD-ROM(Panasonic LF-D100J) 5. 画像データベースソフト(Visual Shot ver.5.0) 先ず、これまでに公刊されているタイ及び東南アジア古代彫刻関係の図版、報告書類を検索し、30点以上の資料を手に入れることが出来た。この結果、カラー及びモノクロ図版としてこれらの資料のなかから100点近い作例を抽出し、カラースキャナを用いて画像データ化し、基礎的なデータベースとしてVisual Shotを用い、個別に作品名・所蔵先・出土地・法量をサムネイルとして入力した。 次に大阪大学文学部肥塚隆教授の協力を得、同大学所蔵の35m/mカラースライドの画像資料50点をフィルムスキャナーを用いて入力し、上記と同じ方法でデータベース化した。さらに青山学院大学文学部浅井和春教授の協力も得、同士がかつて東京国立博物館に勤務していた折りに収集したタイ国内博物館所有の作例およそ400点に関するカラースライドを調査し、この大部分をデータベースとして入力した。 こうして得られた貴重な画像資料は、先ずコンピュータのハードディスクに保存した後、データ入手先ごとのファイルとしてDVD-ROMに保存する方法を選んだ。これは、多量の画像資料保存法には最も有益な手段であったと考える。 本研究の初年度及び次年度の目的が、画像資料の収集にあるところから、現段階で取り立てて新知見を指摘することは難しいが、今後の見通しとして東京国立博物館所蔵をはじめ諸処で所有している東南アジア関係画像資料の調査とデータベース化が要求される。本研究の目的であるドヴァーラヴァティー様式成立のメカニズムを解明することには、本年度の研究の目的であるドヴァーラヴァティー様式成立のメカニズムを解明するには、本年度の研究で緒についた方法により、多くの画像データ収集と解析を行うことにより初めてその概要が明らかになると思われる。今後の課題として、研究代表者が収集している南アジア彫刻の画像資料と比較することで、ドヴァーラヴァティー様式の起源や成立時期などこれまで恣意的に考えられてきた部分が実証的に解明されると思われる。
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