1999 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア彫刻史上におけるドヴァーラヴァティー様式の成立と展開に関する基礎研究
Project/Area Number |
10610056
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
秋山 光文 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60130861)
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Keywords | 彫刻史 / 東南アジア / ドヴァーラヴァティー |
Research Abstract |
平成10年度から3年計画で始まった本研究は、第2年度にあたる平成11年度、前年度に引き続き、画像資料の収集及びデータ入力のプログラムを継続し後述する成果を上げることが出来た。新しい画像資料として今年度は東京国立博物館彫刻室の協力を得て、同室が平成4〜8年度にタイ国で実施した海外調査の際収集したドヴァーラヴァティー彫刻に関する35m/mカラースライドおよそ1600点に及ぶ画像資料を新データに加えることが出来た。また、昨年度に続き大阪大学文学部肥塚隆教授の協力を得、肥塚教授所蔵の35m/mカラースライド50点に及ぶ画像資料をフィルムスキャナーを用いて入力し、上記と同じ方法でデータベース化した。こうして得られた貴重な画像資料は、昨年度の調査で確立した方法でコンピュータのハードディスクに保存した後、データ入手先ごとのファイルとしてDVD-ROMに保存した。これは、多量の画像資料保存法として最も安全で効率的な方法であると考えている。また、データ分析に使用中の画像データベースソフトの「Visual Shot」は、操作が容易で画像と文字を同時に検索可能であり、極めて有効なシステムが構築されたこと確信している。本研究の初年度及び次年度の目的が、画像資料の収集にあるところから、現段階で取り立てて新知見を指摘することは難しいが、今後の見通しとしてこのようにして蓄積された画像データを地域的および編年的に並べ替えられるようデータを整理し、南アジアの彫刻様式と比較検討を行いながらドヴァーラヴァティー様式成立のメカニズムを解明するには、本年度の研究で緒についた方法により、多くの画像データ収集と解析を行うことにより初めてその概要が明らかになると思われる。今後の課題として、研究代表者が収集している南アジア彫刻の画像資料と比較することで、ドヴァーラヴァティー様式の起源や成立時期などこれまで恣意的に考えられてきた部分が実証的に解明されると思われる。
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Research Products
(1 results)