1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610083
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
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Keywords | 予測ゲーム課題 / 試行間間隔 / 混合方略 / 予告刺激 / ラット / ヒト / ハト / 変化抵抗 |
Research Abstract |
(1)予測ゲーム課題における選択行動に試行間間隔が及ぼす効果: 試行間間隔の増加によって、前の時点の選択結果の影響が減少することが認められていることから、利得行列で相対的に要求反応数の少ない結果を選択する割合が増加して、前年度得られた利得行列への敏感性の低さが改善されることが期待された。試行間間隔は前年度の研究の5秒から30秒に延長されたが、ラット3個体の選択行動に大きな改善は見られなかった。また個体の選択行動の自発から通告刺激呈示までの時間を短縮するという操作も効果を持たなかった。 (2)混合方略を要するゲーム事態におけるヒトの選択行動に予告刺激が及ぼす効果: 過去のヒトを用いた混合方略を要するゲーム事態の研究の主要な目的は、繰り返しゲームにおいて被験者の選択がミニマックス解から予想される混合方略に従うかどうかを検討することにあったが、主に群間比較を用いていたため個体の選択行動の特徴を知る事が出来なかった。本研究では個体内比較の手法を用いて個体のデータを分析した。また、混合方略に影響を与える変数として相手の方略についての情報の提供度が考えられるが、相手の手番を正しく示す確率を変えた予告刺激を含む予測ゲーム課題を用いてこの変数の効果を調べた。その結果、予告刺激がない状態では被験者が相手の選択比率に追従する傾向が見られた。刺激を導入すると、予告刺激の信頼性に応じて被験者の予告刺激に対する追従率が変化した。 (3)選択行動の分析指標としての変化抵抗: 並立VI VIスケジュールの下で4羽のハトを用いて変化抵抗を測定した。先行給餌によって変化抵抗を測定した条件では、強化率の高い選択肢で変化抵抗が高くなることが4羽中3羽のハトで明らかであったが、消去による条件ではその差がはっきりしなかった。また反応比はベースライン時と先行給餌とで大きな差がなかった。
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