1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
速水 敏彦 名古屋大学, 教育学部, 教授 (20116172)
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Keywords | 自伝的記憶 / 感情 / 動機づけ / スポーツ / 記憶事象 / 再生順序 |
Research Abstract |
初年度は計画どおり運動やスポーツに関する自伝的記憶に限定して、動機づけとの関係を検討した。具体的な方法としては大学生(女子)を対象にして、これまで運動やスポーツに関して強く印象に残っていることを10こ自由記述するという調査法を用いた。ただし、記述する際には、いつ、どこで、どんなスポーツに関して、どんなことがおき、それに対してどのような感情をいだいたのかが含まれるようにした。また、別に動機づけの指標としてどのようなスポーツをやってみたいと思うのか、逆にどのようなスポーツをやりたくないのかを尋ねたり、日頃、どの程度、実際にスポーツをしているのかを尋ねた。 自由記述したものを整理するのに時間がかかり、現在はデータの一部をまとめたにすぎないが、以下のような結果がみいだされた。 1. 自伝的記憶の約3分の1は小学校時代のもので、約4分の1が中学時代のものである。 2. 全体的には学校の授業での記憶が多いが1番初めに思い出すのは運動会や体育祭での出来事である。 3. 思い出されるスポーツの種類で多いのはマラソンや水泳などである。 4. 自伝的記憶の内容はスポーツそのものができるようになったことや優勝したことが4分の1をしめるがスポーツをとおしての人間関係に関連したものも多い。 5. 生起した感情は正の感情の方が負の感情よりやや多いが大差はない。 6. 正の感情はそのスポーツの動機づけにつながっているが、負の感情を伴う自伝的記憶は一概に負の動機づけにつながるわけではない。
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Research Products
(1 results)