1999 Fiscal Year Annual Research Report
長期閉鎖・隔離空間での集団生活が心身に及ぼす影響について
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10610106
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 正文 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (30197470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 元彦 名古屋大学, 海洋科学技術センター・海域開発・利用研究部, 部長(研究職)
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Keywords | 閉鎖・隔離 / 人間関係 / ストレス / 自律神経機能 / コミュニケーション / 行動パターン / 境界パーソナリティ / 集団形成 |
Research Abstract |
今回の一連の実験では、長時間閉鎖・隔離された環境(海洋科学技術センター設置の潜水シミュレーターを使用)にお互いに未知である20代の男性5人を被験者とし、そこでの人間関係を中心とした行動パターンやそれに伴う心身両面でのストレス度について研究した。測定項目は共同生活中での人間関係を含む行動分析、精神的ストレスの知覚への影響や計画立案などの精神集中度の変化、対人関係の距離などであった。さらに、閉鎖・隔離環境への隔離前後、隔離中の血液分析により、内分泌系ストレス因子やNK活性の測定を行うとともにアクティグラム使用による行動量の測定、睡眠時の脳波や心電図解析により自律神経機能の変化をも検討した。 結果の概要:5人で開始した実験であったが、開始2日目に1人の被験者が脱落し、以降は4人で行った。今回もリーダーの役割を果たす者の存在は認められず、結果的に2-1-1の集団構造に落ち着いた。このような構造の中で、他の成員から排斥されていると感じていた2人の被験者において内分泌系ストレス因子の顕著な上昇が観察され、閉鎖・隔離終了まで他の2人の被験者とは有意な差が認められた。閉鎖・隔離環境は刺激が少ない環境である。そこでストレスを最小限に押さえ、出来るだけ快適な生活を送ろうとすれば、自分たちで刺激を増加させることが必要となってくる。しかし、過去の実験も含めて、被験者たちは反対に受ける刺激を減少させる方向に彼らの行動を制御した。それは、例えば、被験者間のコミュニケーションの減少や環境内での行動量の減少であった。このような現象は現代社会において顕著な観察されていることであり、現代の人々、特に若者たちが新しい状況に直面したとき、人間関係も含む状況への適応能力において劣っていることを再証明したことになる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasui H.,Mizutani Y.,Kasai M,Sato J.,Tanaka M,Mizumura K.: "Psychological and physiological changes during isolation and confinement: Pain and thermal sensation (2nd experiment series.)"Environmental Medicine. 43. 13-15 (1999)
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[Publications] Tanaka M.,Mizumura K.,Sato J.,Kasai M.,Mohri M.Naraki N.: "Psychological and physiological changes during isolation and confinement I.Group dynamics and member interaction."Environmental Medicine. 42. 4-7 (1998)
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[Publications] Yasui H.,Mizutani Y.,Kasai M.,Sato J.,Tanaka M.,Mizumura K.: "Psychological and physiological changes during isolation and confinement II. Pain and thermal sensation."Environmental Medicine. 42. 95-98 (1998)
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[Publications] Mizumura K., Kasai M.,Sato J.,Tanaka M.,Yasui H.: "Psychological and physiological changes during isolation and confinement III.Effects of tactile discrimination."Environmental Medicine. 42. 99-102 (1998)
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[Publications] 田中正文: "環境心理の諸相"菅 俊夫. 220 (2000)